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証券コード:6502

アニュアルレポート2017(2017年3月期)事業編より
(2017年12月発行)

「東芝の再生と成長に向けて、全力で取り組んでまいります。」取締役 代表執行役社長 綱川 智

2015年の不正会計問題を契機として当社株式は特設注意市場銘柄に指定され、再発防止策や企業風土改革をしっかり進め、全社一丸となって新生東芝の実現に向けて邁進すると昨年のアニュアルレポートでご報告した後に、ウェスチングハウス社(以下「WEC」という。)による巨額な損失を計上し、結果としてWECグループは米国連邦倒産法11章に基づく再生手続を申立てました。

また、独立監査人と損失の認識時期の意見の相違があり、独立監査人から、「限定付適正意見」の表明を受けました。また、この当社の著しい財務基盤の毀損に伴い、収益の柱であるメモリ事業を手掛ける東芝メモリ株式会社の株式譲渡などでも、多くの関係者が参加し、契約締結までに時間を要するなどしました。一方、ガバナンス、経営判断プロセス、子会社(特に海外子会社)管理など様々な改善に真摯に対応した結果、2017年10月12日付で当社株式は特設注意市場銘柄および監理銘柄(審査中)の指定から解除されました。この間、株主・投資家の皆様には、多大なるご心配・ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

以下には、もう少し過去の経緯と今後の取り組みについてご紹介させていただきます。

2016年度連結業績と決算の正常化

2016年度の営業損益は、賞与減額等の緊急対策に加え、前年度(2015年度)には資産評価減、構造改革費用、不採算案件の引当等の一時的費用を計上した影響もあったことから、原子力発電システム以外のすべての事業において、対前年度で改善し、特にメモリについてはさらに利益率の改善が進んだ結果、2,708億円になりました。当期純損益は、WECグループの米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続申立てに伴う損失を非継続事業当期純損益に計上したことにより、マイナス9,657億円と大幅な赤字となりました。株主資本は、利益剰余金が大幅に減少した結果、マイナス5,529億円となり、誠に遺憾ながら債務超過となりました。

当社は、2016年度有価証券報告書を、延長後の提出期限である2017年8月10日に提出し、2017年度第1四半期報告書も同日に提出いたしました。独立監査人から受領した監査報告書については、限定付適正意見が付されたものの、2016年度末の貸借対照表は適正、2017年度第1四半期についても、比較対象年度である前年同期の数字のみを除外する限定付結論を表明いただきました。ご心配をおかけしておりましたが、これにより、当社の決算は正常化したものと考えております。

海外原子力事業におけるリスクの遮断

当社は2016年12月27日に、WECによる米国シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン社(以下「CB&I」という。)の米国子会社買収に伴う巨額なのれんおよび損失計上の可能性を発表しました。その後2017年3月29日、WECは、本件コスト増を受け、将来の資金繰り見込み、事業価値の維持等を考慮し、裁判所の法的保護の下で再建を図ることが、事業再生およびステークホルダー全体の利益のために最善と判断し、米国連邦倒産法11章に基づく再生手続を、ニューヨーク州南部地区連邦破産裁判所に申立てました。また、同社グループでの米国外の事業会社群の持株会社である東芝原子力エナジーホールディングス(英国)社も同様の申立てをしました。この申立てにより、WECグループは2016年度通期決算から当社の連結対象外となりました。

また、重要な経営課題となっておりました、WEC受注の米国原子力発電所建設プロジェクト4基に関する親会社保証については、すべての保証の上限額が2017年7月に確定し、親会社保証に係る追加費用の負担リスクを遮断することができました。

特設注意市場銘柄および監理銘柄(審査中)の指定解除

当社は2015年7月20日に第三者委員会の調査報告書を受領し、同年9月7日に過去の有価証券報告書等の訂正版を関東財務局に提出しました。これらを受けて、東京証券取引所および名古屋証券取引所から当社が内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたことから、2015年9月15日をもって当社株式は特設注意市場銘柄に指定されました。指定から1年を経過した2016年9月15日に「内部管理体制確認書」を両証券取引所に提出し、審査を受けていましたが、改善に向けた取り組みの進捗等についてなお確認する必要があると判断されたことから、同年12月19日に、両証券取引所から特設注意市場銘柄の指定継続を受けました。

特設注意市場銘柄指定から1年6ケ月を経過した2017年3月15日に当社は「内部管理体制確認書」を両証券取引所に再提出しました。指定継続の通知を受けて、従来からの施策に加えて、指定継続の要因であるコンプライアンスの徹底および関係会社管理の強化等を進め、さらには経営判断プロセスの課題にも真摯に対応した結果、当社の内部管理体制については相応の改善がなされたと認められたため、当社株式の特設注意市場銘柄および監理銘柄(審査中)の指定を2017年10月12日付で解除する旨の通知を受けました。

内部管理体制改善への取り組み

当社は、特設注意市場銘柄および監理銘柄(審査中)の指定解除に伴い、これまで取り組んできた内部管理体制の改善策の進捗状況と今後の取り組み等について「内部管理体制の改善報告」として取り纏め、公表いたしました。株主・投資家をはじめすべてのステークホルダーの皆様から信頼を取り戻すには、改善・改革に向けた施策の継続実施とそれら施策の定着を確認するために着実な取り組みが必要であると認識しています。

メモリ事業への外部資本導入

メモリ事業の機動的かつ迅速な経営判断体制の整備および資金調達手段の拡充を通じてメモリ事業のさらなる成長を図るため2017年4月1日付で当社のメモリ事業を会社分割により東芝メモリ株式会社に承継しました。そして、当社借入金の返済原資の確保および財務体質回復のためにベインキャピタル社を軸とする企業コンソーシアムを譲渡先として選定し、9月28日に譲渡価格約2兆円で株式譲渡契約を締結しました。必要な手続きを経て、2018年3月末までの譲渡完了をめざしています。

分社体制への移行とコーポレート執行体制の見直し

当社は、2017年10月までに社内カンパニーを分社化し、新たな事業体制へと移行しております。分社後の各事業については、グループ内の連携を強化しつつ、それぞれの事業会社の事業価値最大化に特化するとともに、特定建設業の許可維持などの事業継続性も踏まえた最適な体制を確立しております。コーポレート機能については、当社グループの全体の企業価値最大化とガバナンス強化に特化します。

なお、2017年11月1日付で本社機構改革の一環としてコーポレート執行役を、18名体制から10名体制に見直し、コーポレート執行役がこれまで以上にグループ全体を俯瞰し、かつスピード感を持って業務執行にあたる体制にしました。結果、執行役全体では、23名体制から15名体制にしました。

新株式の発行による資金調達

2017年11月19日に、第三者割当による新株式の発行を決議し、12月5日に約23億株の新株を発行し、約6,000億円の資金調達を完了いたしました。今回の資金調達の目的は、WECの米国原子力発電所建設プロジェクトに関する親会社保証の一括弁済です。当社は、一括弁済を行うことにより取得する代位債権(求償権)を含むWEC関連資産を第三者に譲渡することを企図しており、当該譲渡が実現した場合には、WECの再生手続の対応に要する社内リソースを大幅に削減することができるとともに、米ドル建てで確定した親会社保証上限額について為替リスクからも解放されることになります。加えて、代位債権等の債権につき第三者への譲渡が2018年3月末までに完了すれば、少なくとも約2,400億円が2018年3月末の連結株主資本の増加に寄与することが見込まれています。このように本第三者割当による資金調達の実施により、喫緊の課題であった連結貸借対照表における債務超過状態の解消および当社株式の上場廃止の可能性を可及的に排除できる見込みです。

成長事業の育成・これからの取り組みについて

大きな経営課題であった海外原子力事業のリスク遮断を進めるとともに、毎年大規模な設備投資が必要となるメモリ事業のさらなる成長を期待し東芝メモリ株式会社の株式譲渡を決定いたしました。さらに、第三者割当による資金調達の実施とこれに伴うWEC関連の債権の譲渡により、喫緊の課題であった連結貸借対照表における債務超過状態の解消および当社株式の上場廃止の可能性を可及的に排除できる見込みとなりました。こうしたなか、2018年度以降は、既存事業による収益基盤を強化しつつ、中長期的には資金創出力と利益率の高い事業構造に変革してまいります。今後当社は、社会インフラを核とし、エネルギー、電子デバイス、デジタルソリューションの4つの事業領域に注力します。これらを実現するため、3つの施策を実施してまいります。

東芝の成長に向けて

東芝の成長に向けての図

最後に

この約3年で大きく毀損してしまった企業価値を取り戻すために、現在まで改革を進めているところでありますが、このような事態に立ち至りましたことを改めて深くお詫び申し上げます。これからは、過去の反省を踏まえ過度な規模拡大に執着せず、キャッシュフロー基軸の事業運営にあたります。そのためには、「誠実な経営」「風通しの良い企業風土」「実力に応じた適正な投資判断」「実効性のあるリスク管理」を念頭に置いて経営にあたります。

また、事業活動を通じて、CSR経営の実践を果たし、社会からの要請に応え、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献してまいります。

まずは、2018年3月末までの連結貸借対照表の債務超過解消や、内部管理体制の強化など課題を一つひとつ解決しなければなりませんが、会社を正常な状態に戻し、今後一刻も早く復配し、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様からの信頼を取り戻すべく、経営陣一丸となって取り組んでまいります。

本ホームページには、業績見通し及び事業計画等も記載しております。それらにつきましては、各資料の作成時点においての経済環境や事業方針などの一定の前提に基づいて作成しております。従って、実際の業績は、様々な要素により、これらの業績見通しとは異なる結果となりうることをご承知おきください。

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