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2011年7月

電化製品に欠かせない電力コントロールのスイッチ!?

パワー半導体

省エネが求められる中、注目を集めている「パワー半導体(パワーデバイス)」。
とっても力持ちそうな名前だけど、一体どんな半導体なのか、今回はマイクロエレクトロニクスセンターの中村先生に教えてもらいました。

さまざまな電子機器で利用されている「パワー半導体」

ニャンダロー:先生、よろしくお願いします。さっそくですが、パワー半導体って、どんなものですか?

今月の先生 セミコンダクター&ストレージ社 先端ディスクリート素子開発部 中村 和敏さん

中村先生:ニャンダロー君こんにちは。半導体というと、「マイコン」や「メモリ」のような演算や記憶する小さなICを思い浮かべるかもしれないけれど、パワー半導体には、10センチメートル四方を超えるような大きなものもあるんだ。この「パワー半導体」は世の中のほとんどの機器で使われていて、身近なところでは、パソコンの電力制御やエアコン、冷蔵庫の温度調節機能などに組み込まれているし、大きなものでは今話題の電気自動車や新幹線のモーターを回すのにも利用されている。また、太陽光発電を電力送電網に接続するシステムの一部に使われたり、スマートグリッドなどの分野にも応用が期待されている注目の半導体部品なんだ。

ニャ:知りませんでした。電化製品に欠かせない縁の下の力持ちのような部品なんですね。すごいニャ!ところで半導体って、そもそもどういうことですか?半分が導体?

先生:電気を流すのが「導体」で流さないのが「絶縁体」。シリコン(Si)に代表されるような「半導体」はその中間で、何かを混ぜると電気の流れやすさ(電気抵抗)が大きく変わる性質を持っているんだ。この「半導体」に異なる性質の物質を混ぜることで、P型(電子が欠乏して(+)の電気を持っているのと同じような性質)とN型(電子が余って(−)の電気を持っているのと同じような性質)の半導体ができる。このP型とN型の半導体の特性を、いろいろ工夫しながら組み合わせると、さまざまな性質を持つ半導体部品が作れるんだよ。「パワー半導体」もそのひとつなんだ。

ニャ:ニャるほど。では、このパワー半導体は具体的にはどんな仕事をするんですか?

先生:「パワー半導体」の基本的な仕事はスイッチと同じと考えてもいいよ。主に電気を直流から交流、あるいは交流から直流に変えたり、電圧を上げたり下げたりして電力を効率よくコントロールする役割をしているんだ。我々が考える理想の「パワー半導体」は、そのスイッチの役割が完璧なもの。つまり、ONするときは電気抵抗がゼロ、OFFのときは電気抵抗が無限大、それに加えてONとOFFの切り替えが瞬時で、電力の損失も発熱もまったく発生しないものだ。ただ、今のところはまだそこまでは到達できていなくてね。残念ながら、瞬時には応答せず、わずかな遅れがあり、ONのときも完全に電気抵抗がゼロにはならないんだ。

ニャ:「竹を割った性格」みたいなパワー半導体ができたらいいのに、なかなかスパッとはいかないんだニャ。

先生:スイッチング動作は、瞬時に大量の電力を切り替えられるのが理想なんだけど、「瞬時」と「大量」の両方を満足させるのが難しいんだ。だから用途と動作に合わせていろいろな種類の「パワー半導体」を使い分けているんだよ。(図1)

図1 負荷容量と動作周波数によるパワー半導体の応用例

パワー半導体の主流、MOSFETとIGBT

先生:現在、スイッチとして使われるパワー半導体は、主に2種類。ひとつは携帯電話やパソコン電源など小電力用に使われるもので、応答速度がとても速い「MOSFET(金属酸化膜半導体型電界効果トランジスタ)」。もうひとつは大電力用に使われる「IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)」と呼ばれるもの。「IGBT」は「MOSFET」よりも応答速度は遅いけれど、耐電圧性能が高く、大きな電流を流した際のON時の電力損失が小さい。この特性のために、家電製品やエコカー、産業用機械など幅広い製品に使われているんだ。

ニャ:どうして、このような違いができるんですか?

先生:先程のP型とN型の半導体の組み合わせによって、「MOSFET」では電子(−)のみが電気を運ぶキャリア(担い手)として働く。これは運べる電流は少ないけれど応答速度が速い。一方、「IGBT」は電子(−)と正孔(+)の2つがキャリアとして働くので、運べる電流も多くなる。ただし、キャリアが多くなるから、「MOSFET」よりも応答に時間がかかることになるんだ。(図2)

ニャ:「パワー半導体」の中をもし覗いたら、きっとこれらのキャリアがスイッチに合わせてONの時に電気を運び、OFFにするとキャリアがなくなって電気が流れないようになっているんだね。

図2 パワーMOSFET とIGBT はどう違う?
縁の下の力持ち

電力損失を最小限にするため奮闘中!

先生:電力損失が少ない、理想のスイッチに近づけるために、先生たちは色々な方法を検討しているんだ。研究所を中心に、シリコンの代わりに炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といった新素材を試してみたりもしているよ。

ニャ:電力損失が少なければ少ないほど節電できるわけですね。頑張れパワー半導体!僕も身近なところから省エネを心がけます。



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