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個人投資家の皆様へ

優れた技術や最新の研究成果

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2014年8月

異常気象を予測して被害を軽減

フェーズドアレイ気象レーダ

これまで難しいといわれていたゲリラ豪雨などを観測できる「フェーズドアレイ気象レーダ」。
上空の雨滴をキャッチし、地上に降る前にピンポイントで予測します。
東芝が日本で初めて実用化したその仕組みを水谷先生に教えてもらいました。

ゲリラ豪雨の原因は積乱雲にあり

ニャンダロー:近年、異常気象が増えているけど、温暖化の影響なのかニャ。ゲリラ豪雨なども突然だから大変。ニャンとかならないのかニャ。

今回の先生 小向事業所 電波応用技術部 水谷 文彦さん

水谷先生:ゲリラ豪雨や竜巻などの異常気象は「積乱雲」によってもたらされることは知っているかな?
積乱雲は大気の状態が不安定なときに、上空のおよそ3〜10km地点に積乱雲の卵ができて、それがどんどん成長していく。そうすると、雲の中心部に降水コアと呼ばれる巨大な雨滴の塊が完成し、そのコアが徐々に下降し、地上に降り注いで豪雨になるって仕組みなんだ。(図1)
積乱雲の卵ができてから、豪雨を地上に降らせるまでは10分程度。これまでは、パラボラアンテナを使った気象レーダで予測していたんだけど、一方向の狭い領域にしか電波を送受信できないから、仰角を変えながら数十回も回転させる必要があった。そうすると、観測するのに10分くらいはかかってしまい、事前に予測することが難しかったんだ。そこで開発されたのがフェーズドアレイ気象レーダだよ。

ニャンダロー:今までの気象レーダとどこが違うのかニャ?

図1 ゲリラ豪雨はどうやって起こる?

高精度&高速でゲリラ豪雨をキャッチ

水谷先生:フェーズドアレイ気象レーダは、128本のアンテナを縦に並べてあって、上下合わせて90度までの重力の方向(鉛直方向)に、瞬間的に100本のマイクロ波を発射するんだ。雨滴に反射して散乱されて戻ってきた電波を受信するという仕組みでね。約2m四方のアンテナを1回転させるだけで半径60km、高さ15kmくらいの雲の発達や動きを精細かつ立体的に観測できて、観測時間も10〜30秒と大幅に短縮できたんだ。(図2)
つまり、豪雨が降りだす約5分前までには予測ができるようになったから事前にさまざまな安全対策が取れるんだ。

ニャンダロー:半径60km!それなら1つ設置するだけで東京全体を観測できますね。事前の安全対策が万全なら被害を最小限に抑えられそうだニャ。

水谷先生:そのとおり。積乱雲の発達が逐次分かるから、雨滴の塊が上空にとどまっている段階で「ここに雨が降るよ」って警報も出せるし、下水道のポンプは手動で起動しているところが多いから、豪雨になる5分前に予測できれば、降水前にポンプを動かして、洪水を未然に防ぐことができるんだ。

ニャンダロー:でも、どうやって積乱雲だけをレーダで捉えているんですか?

図2 雲の発達や動きを3次元にモニタリングできる

「移動する速度」が雨滴を判別する鍵

水谷先生:いいところに気付いたね。フェーズドアレイ気象レーダは、米軍がミサイルなどの追跡に使っているレーダ技術を応用していて、実際は高層ビルや山、飛行機などに当たった電波なども受信しているんだ。このままだと雨滴なのかそれ以外のものなのかが分からないよね。そこで、信号処理技術を使って、電波が移動する速度などの違いから区別して、雨滴以外を除去しているんだよ。

ニャンダロー:ミサイルを追跡する技術を雨滴の追跡に応用するなんて、先生結構いいセンスしてるニャ。最先端の技術があったからこそ実現したんですね。

水谷先生:ただ、まだ課題もあるんだけどね。例えば、レーダ測定の際に、大気中に雨滴が多く存在するほど受信する電波が大きくなるんだけど、雨滴の大きさや形によっても受信する電波の強さに影響が出るから、豪雨現象全体の強度の予測に大きな誤差が出てしまうことがあるんだ。だから、雨滴の大きさや形がわかるマルチパラメータレーダという機能を次世代のフェーズドアレイ気象レーダでは実現させようとしてるんだ。これが完成すれば、事前に雨の強さも正確に把握できるようになるからね。

ニャンダロー:さらにいいレーダをもう開発してるなんて、夢みたいだニャ。みんなのために頑張ってください。

※今回実用化したフェーズドアレイ気象レーダの成果の一部は、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「次世代ドップラーレーダー技術の研究開発」にて大阪大学との共同研究で得られました。




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