開発の背景と狙い

 X線CT装置は、コンピュータを用いて人体の断層を撮影する画像診断装置で、 身体にメスを入れること無く人体深部の診断が容易にできることから、医療機関での 導入が進んでおり、現在、日本国内で約1万台が稼働しています。
 ヘリカルスキャン方式*のX線CT装置は、臓器全体に 対し短時間で精密な検査が可能なことから、撮影中呼吸を止める必要のある肺の 検査や、治療装置との組み合わせによる手術支援などでの応用が期待されています。

 こうした中で、より精密な画像の撮影や患者のX線被曝の軽減を図れるX線CT 装置への需要が高まるとともに、検査時間等を更に短縮できるよう、撮影中に リアルタイムで画像観察を実現できる機能への要望が強くなっています。

 新製品はこのようなニーズに応え、開発したもので、当社が世界で初めて開発した 「リアルテクノロジー機能」を搭載することにより、ヘリカルスキャン撮影中に 画像を確認することができ、検査時間を短縮し患者の負担を軽減することが 可能になります。また、手術中に撮影をしながら手術部位の様子を断層画像上で リアルタイムに観察することもでき、より安全で確実な検査・手術が行えます。
「リアルテクノロジー機能」は、X線CT装置を“CT(Computed Tomography)”の 時代から“CI(Continuous Imager)”の時代に発展させるもので、従来CT装置では できなかった様々な応用が期待されています。


*ヘリカルスキャン方式

 X線管の連続回転照射と寝台の連続スライドの組み合わせで、体軸方向に沿って らせん状に撮影データを連続収集するスキャン方式。1断層撮影ごとに寝台を ずらして間欠的に撮影データを収集する方式に比べ、臓器全体などの広範囲を高速に 撮影できるほか、動画像として構成することも容易にできる。


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