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液体ヘリウムを用いたヒートパイプの開発について

1996年5月16日

ループ形ヒートパイプにおいて世界で初めて液体ヘリウム温度での冷却に成功

 当社は、超電導磁石などの冷却装置を小形化できるループ状のヒートパイプに おいて、世界で初めて液体ヘリウム温度(絶対温度4.2ケルビン=−269 ℃)での冷却に成功しました。

 本開発品は、ステンレス製の細管中を流れる液体にヘリウムを用いており、 液体ヘリウムの気泡の膨張力を使って、極低温での液体の自己循環を可能に することによって液体ヘリウム温度での冷却を実現したものです。

 本開発品を用いることにより、通常の棒状のヒートパイプによる冷却装置に比べ、 約50%の小形化を図ることができます。


開発の背景

 本開発品は、リニアモーターカーやMRI用の中小形超電導磁石から、 将来的には電力エネルギー貯蔵などに用いる大形超電導磁石、電力輸送用の超電導 ケーブルなどを応用分野が考えられます。
 また、本開発品は、液体ヘリウム温度での成果に先立ち、液体窒素(絶対温度 77ケルビン)、液体ネオン(絶対温度27ケルビン)、液体水素(絶対温度 20ケルビン)を用いたループ形ヒートパイプの動作にも成功しており、液体水素 温度から液体窒素温度域で用いられる高温超電導機器の冷却など幅広い応用が 見込まれます。

 その中でも、現在、冷凍機で冷却するタイプの超電導磁石では、棒状の銅や アルミニウムなどの高熱伝導金属を用いており、この場合、超電導磁石の重量に 匹敵する量の金属が必要で、設置面積も大きいことから、近年、軽量で設置面積が 少ないループ形ヒートパイプが注目されています。

 当社は、(1)ガス化により発生する液体ヘリウムの気泡の直径とループ状の 細管の内径の最適化を図り、膨張力が循環力になるように工夫した、 (2)重力を利用して循環を促進させる構造とした、 (3)最大の循環力を発生するループのターン数(10ターン)を解明した、 ことなどにより液体ヘリウムを用いても正常に循環動作を行うループ形ヒート パイプを開発したものです。

 また、本開発品は、液体ヘリウム温度で棒状の銅の約60倍以上の高い熱伝導率を 有しており、超電導磁石の冷却を簡便に効率よく行うことが可能です。

 当社は、本開発品を5月20日から北九州インターナショナルコンファレンス センター(福岡県北九州市)にて開催される「第16回国際低温工学会議」にて 発表する予定です。


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