塩化ビニル混入廃プラスチック油化処理装置の事業化について

1996年10月22日

業界最高の塩素系プラスチック混入率50%まで処理可能

 当社は、塩化ビニル(PVC)などの塩素系プラスチックを最大50%まで混入した 廃プラスチック(熱可塑性樹脂)を連続して処理し、燃料油として生成する 「塩化ビニル混入廃プラスチック油化処理装置」を開発し、11月から受注活動を 開始します。
 本装置は、混入率を50%まで高めることにより、一般廃棄物として排出される 廃プラスチックはもとより、地域の特殊事情により特にPVCの混入率の高い 廃プラスチックでも、分別作業をほとんど必要とせずに処理することができます。 また、PVCの利用事業者や排出量の多い企業の処理装置としても 利用することができます。

 これまでに実用化または実証プラントとして稼働している油化処理装置は、 脱塩素技術の困難さから、最大でもPVC混入率15%の装置があるものの、 ほとんどがPVCを含まない廃プラスチックを対象としています。このため、 廃プラスチックを処理する前に分別作業が必要とされており、特に一般廃棄物の 処理には適していませんでした。

 本装置では、PVC混入率10%の廃プラスチック1トンを処理した場合では、 生成油810キログラム、混入率50%の場合には同470キログラムに油化します。 さらに、98%以上の塩素を塩酸として回収できるほか、途中工程で発生する 油化されない残渣物を燃料として再利用できるなど、資源の有効利用にも 優れています。
 塩素の除去については、200℃以上の 温度で一定時間加熱しながらスクリュー機構を用いて押し出す方式により、 塩素を装置外に放出することはありません。これにより、生成油に含まれる 塩素を燃料油として再利用可能なレベルにまで低減しています。
 当社は、本装置で、一日あたり5トンから最大30トンまでの廃プラスチックを 処理する商品シリーズを用意します。


本装置の概要
開発の背景
処理方法の概要
装置の特長
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