次世代の高速インターネット技術に関する合意について

1996年11月11日

株式会社 東芝
シスコシステムズ・インク

 株式会社 東芝(取締役社長:西室泰三)とシスコシステムズ・インク(所在地: カリフォルニア州サンノゼ 社長兼CEO:ジョン・チェンバース)は、次世代の 高速インターネット技術を実現する「マルチレイヤー・スイッチング技術」(注1) に関して、今後、両社が共同で仕様をまとめていくことに合意しました。

 今回、両社が共同で仕様を検討していく技術は、大規模化していくインターネット およびイントラネットに対応するとともに、今後の増加が予想されるリアルタイム・ マルチメディア通信に必要不可欠な技術です。
 今後、両社は、インターネットおよびイントラネットの技術仕様の標準を定める 機関であるIETF(Internet Engineering Task Force)において、グローバルな 標準仕様の検討を進めていきます。

 今回、両社がIETFに提案していく技術は、最先端のマルチレイヤー・ スイッチング技術である、東芝のセルスイッチルーター技術と、シスコのタグ・ スイッチ技術を統合した方式になります。

 東芝は、10月30日よりロンドンで開催されたNETWORLD+INTEROP'96 London において、セルスイッチルーターの試作システムのデモンストレーションを 行いました。 また、この技術は、日本の代表的なインターネット技術の研究組織である「WIDE プロジェクト」に採用されており、今後、多数のネットワークで、運用実験が 行われる予定です。

 シスコは、マルチレイヤー・スイッチング技術として、レイヤー2(データリンク・ レイヤー)のトラフィック制御および高データグラム転送能力と、レイヤー3 (ネットワーク・レイヤー)の大規模化に対応する能力と柔軟性を統合できるタグ・ スイッチ技術をすでに発表しています。

(注)マルチレイヤー・スイッチイング技術:
現在、インターネットやイントラネットなどのネットワークの能力を高めるために、 データの転送方式やネットワークの容量の向上など、各方面において技術開発や 実用化が進められています。このようななか、LAN同士を相互に接続し、データの 情報転送経路を設定するルーターの処理能力の向上が、今後のインターネットおよび イントラネットにとって大きな課題であり、ネットワーク全体のデータ処理能力を 向上するためには、次世代の高速ルータの技術の開発が必須となります。
 従来のルーターは、ソフトウェア処理をもとにしたレイヤー3スイッチ技術で、 インターネット・イントラネットにおける急激な通信量、通信速度の増大に伴い、 ソフトウェア処理をもとにしたデータ処理が、ネットワークでのデータ処理の ボトルネックになりつつあります。
 東芝とシスコが共同で仕様検討を行うマルチレイヤー・スイッチイング技術は、 これらの問題を解決するために、レイヤー2のハードウェアスイッチ技術(ATMや フレームリレーなど)と、レイヤー3での従来の経路制御技術を融合させるものです。 この技術により、高速で大規模なインターネット・イントラネットの提供が 可能となり、さらに、将来のリアルタイム通信に必須となる複数のサービス品質を 同時に提供することが可能になります。


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