開発の背景と狙い

 ICカードは、国際標準仕様(ISO/IEC7816)の制定とクレジット 業界における規格統一 (EMV仕様(注2))により、金融分野での急速な普及が 見込まれており、全世界の電子商取引用のICカードの需要は、96年度で 約5,000万枚、97年度には約1億枚と急速な伸長が見込まれています。

 安全な電子商取引システムを実現するために必要な要素である暗号方式は、現在、 共通鍵暗号方式(注3)と公開鍵暗号方式に 大別されています。現在注目を集めている電子マネーなどの電子商取引分野では、 より高度な安全性が要求されるため、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式を 併用した方式が必要とされています。共通鍵暗号方式の暗号処理は、従来の ICカードに内蔵されている8ビットCPUで処理をしても充分な応答速度が 実現できますが、公開鍵暗号方式の暗号処理は、演算量が共通鍵暗号方式の処理に 比べて飛躍的に増大するため、暗号処理専用のプロセッサを搭載したICカードが 必要となります。

 当社はこのようなニーズに対応するため、高い安全性と早い応答性を要求される 電子商取引分野に適したICカードを、今回商品化するものです。

 なお、新製品の投入により、当社は、CPUを内蔵したICカードの ラインナップとして、低価格タイプから高機能タイプまで5モデルを 揃えることにより、プリペイドカードから電子商取引の分野まで、市場の 様々なニーズに対応していきます。


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