商品化の背景と狙い

 現在、急速に普及しているインターネット/イントラネットは、研究者のための ネットワークとして発達してきたこともあり、情報伝達の確実性や遅延時間等の 通信品質の不足、通信トラフィックの増大に伴う転送能力の不足などの問題に 直面しています。さらに、インターネットの利用法はブラウザの検索をはじめ、 インターネット電話や音声・動画像のリアルタイム送信などへと、その利用法は 広がっており、より大容量のデータを高速に伝達するしくみが要求されています。

 インターネットは様々なネットワークの集まりであり、その中でルータは それぞれのネットワークを接続し、送信ルートを選択してデータを中継し、 最も早く目的地へ送信する機能を有しています。より高速なネットワークを 実現するためには、このルータの高速化が不可欠です。

 このようなニーズに対応するため、当社はATMスイッチをパケット転送の エンジンとして利用することにより、従来タイプのルータに比べ約10倍の 高速性能を実現した「セルスイッチルータ」を開発し、96年7月に試作モデルを 公開しました。同ルータはインターネット技術の先進的研究組織である「WIDE プロジェクト」に採用され、今後様々なネットワークで運用実験が行われる予定です。 また、米国シスコ社と次世代の高速インターネット技術に関して、今後両社が共同で 仕様をまとめ、インターネットの技術仕様をとりまとめる機関であるIETFに 提案し、標準化をはかることに96年11月に合意しており、現在、IETFに おける検討作業が開始されています。

 当社は、今回、高速ルータを先行して商品化することで、より高品質・大容量の マルチメディアデータを高速に転送できる、大規模なインターネット/ イントラネットの構築を可能にするものです。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。