本人に代わって答える「秘書エージェントシステム」の開発について

1997年2月4日

ネットワーク時代の新しい情報発信・共有システムを構築

 当社は、他の人からの問い合わせに対して、本人に代わって答える コンピュータシステム「秘書エージェント」を開発しました。 「秘書エージェント」は、仕事を進めていて困ったことやわからないことを 普通の言葉でキーボードや音声で入力すると、その意味内容を理解して、 知識情報やノウハウ、コツなどを蓄えたデータベースから、適切な回答を 探し出して提示するものです。

 「秘書エージェント」は、(1)仕事を進める上で不可欠な知識を専門家が体系化した 「オフィス知識ベース」の構築、(2)個人のノウハウやコツを簡単に知識として 蓄えることのできる「ノウハウベース」の構築、(3)自然言語の意味内容理解による 情報検索技術によって実現されたものです。

 「秘書エージェント」は、情報所有者(本人)が多忙な時や不在時も、 本人の代わって知識情報を発信することで、本人にとっては時間を有効に 利用できる一方、従来人から人へとマンツーマンでしか伝承できなかった 個人の知識の利用度を向上させます。組織のメンバー全員もしくはグループ単位で、 「秘書エージェント」を持つことにより、知識の発信と共有が促進されるとともに、 知識や情報を積極的に公開して発信することで、関連情報や詳細情報が情報発信者に フィードバックされ、効率的で知識利用度の高い組織が実現します。
 また、「秘書エージェント」では、マウスとメニューの直接操作によるGUI (グラフィカル・ユーザ・インタフェース)に代わる新たなヒューマン インタフェースとして言語や音声による対話を実現しています。現段階では 話題を限れば音声認識、音声合成、ジェスチャー入力によるマルチモーダル対話も 可能です。「秘書エージェント」は「本人に代わって情報を発信する」という、 情報発信・共有を促進するネットワーク時代の人間中心の当社の新しい コンセプトです。
 現在、当社の研究開発センター(川崎市)内では、300人規模の組織で 実証実験を行っています。総務、知的財産などの各担当の「秘書エージェント」を 置き、事務手続きを中心に従業員の問い合わせに対応して、その有効性を 確認しています。「秘書エージェント」は、3月4日から9日まで開催する 「TOMORROW21 東芝技術展」にも出展します。


開発の背景
秘書エージェントの特長
今後の開発予定について


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