商品化の背景と狙い

 地球環境問題、中でもオゾン層保護については、その対応が急務であり、 現在パッケージエアコンに冷媒として幅広く使用されている指定フロン「HCFC22」はオゾン層保護をうたったモントリオール議定書により全廃が2030年から2020年に前倒しされています。 このため、当社はよりよい地球環境の実現を経営理念とする企業として環境保護の観点から、 代替冷媒対応の空調機器開発や工場設備の改善などに積極的に取り組んできました。

 特に新冷媒については、(社)日本冷凍空調工業会の新冷媒評価プログラムに参画し、 各種新冷媒の評価や推進を重ねてきました。その結果、 当社は現在幅広く使用されているHCFC22の代替冷媒として、 オゾン層破壊係数ゼロの「HFC407C」を採用しました。 新冷媒は塩素原子が含まれていないので、オゾン層を全く破壊しません。

 「HFC407C」は性質が「HCFC22」に近く安全性の面でも優れていますが、 冷暖房能力が「HCFC22」に比べ約2~3%低く、 さらに単一冷媒の「HCFC22」とは異なり3種類の冷媒の混合物で、 各冷媒の沸点が異なるので均一に混合していないとエアコンの冷暖房能力が低下するなどの問題がありました。 また、HCFC22に比べて冷媒圧力特性が異なるので圧縮機や熱交換器を改良する必要や、 塩素がない冷媒であるため潤滑作用が低下し、 コンプレッサー内部の機構部が磨耗しやすいことから冷凍機の潤滑油を変更する必要などの課題がありました。 当社は、熱交換器の高効率化や圧縮機の改善、 新潤滑油の採用などにより能力の確保や機器の信頼性の向上を実現し、 今回新製品を商品化するものです。 なお、新冷媒の採用により標準価格は約15%程度アップとなります。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。