平面ブラウン管「フラットスーパーブライトロン」について

 当社は、シャドウマスク方式として世界で初めて平面ブラウン管を実現することに成功しました。 これは、当社が世界に先駆けて開発・量産化してきた「マイクロフィルター(R)」 技術をベースに、新しいシャドウマスク形状の開発などにより実現したものです。

主な特長

  1. 完全平面
     ブラウン管の表面は100mの曲率半径(半径100mの円の一辺)で、 従来のブラウン管(曲率半径2.5m)に比べて40倍の平面化を実現しています。 このため、画面全体で歪みがなく自然な映像が得られると同時に、 室内照明のブラウン管表面での映り込みを従来の約半分に抑えることができます。

  2. 高輝度・高コントラストで深みのある映像
     輝度・コントラストを40%、色再現域(表現できる色の範囲)を10%向上させるため、 当社独自の「マイクロフィルター(R)」と「ラベンダーマスク」を採用しています。 「マイクロフィルター(R)」は、蛍光体の表面に蛍光体と同じ色だけを効率よく通すカラーフィルターを使用し、効率を引き上げるものです。 さらに、このフィルターが外部光を遮断しブラウン管表面の反射を低減することで、コントラストを改善します。 加えて、ブラウン管表面のラベンダーマスクも外光の反射を抑えています。 これらにより自然な黒で深みのある映像を再現することができます。

  3. 画面周辺まで均一な高精細な映像
     蛍光体トリオ(赤,緑,青)のピッチ(蛍光面の1色から隣の同色までの間隔) を画面中心と画面周辺で約8%差とほぼ均一化(従来ブラウン管は20%)、 また、新電子銃の開発により、画面周辺でのフォーカス性能が15%向上しました。 これにより周辺精細度を従来比20%高め、画面全体で高精細な映像を実現しています。 また、周辺の歪みや色ズレを改善した高周波対応のサドル・サドル型偏向ヨークを採用しています。

  4. 軽量で消費電力の少ない長寿命フラット管
     フラットブラウン管においても強度を維持し、 重量の増加を最小限に抑えています。 さらに、フラット化にもかかわらず従来管と同等の偏向電力を維持し、 また最適な熱効率設計によりヒーター電力を50%削減した長寿命インプレカソードを採用し、 省エネや地球環境に配慮しています。

技術のブレイクスルー

 95年から当社が独自に開発・量産している「マイクロフィルター(R)」方式(RGBフィルタ+クリアガラス)の特長は高輝度で、 しかもガラスの厚みによって輝度が余り変化しないことですが、 この特長を活かして完全フラットを実現しました。
 パネルの内面は、強度の確保と重量の抑制のため、新円筒形の形状を採用しました。
 また、シャドウマスクはアンバー材や新円筒形状の採用と特殊な温間成型法により、機械的強度を確保しました。
 これらにより、蛍光体のトリオピッチを世界で初めてほぼ均一とすることが可能となりました。
 また、周辺フォーカスは、抵抗を内蔵した新電子銃を最適化し、15%の向上を図りました。
 さらに、画面周辺部の歪みや色ズレは、高精度分割巻き方式のサドル・サドル型高周波対応偏向ヨークを開発し改善しました。


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