無線タグ事業について

  1. 無線タグ市場概況
     無線タグは、ICチップとアンテナを内部に埋め込み通信機能をそなえた電子荷札(タグ)です。 非接触式ICカードと比べて形状に制限がなく、また通信距離が長いなどの特長があります。 通信距離により「近接・近傍型(1m以内)」、「マイクロ波型(数メートル)」に分類されます。 また、書店やレコード店などで盗難防止用に商品に取り付けられている「1ビットタグ」と呼ばれる簡易型の無線タグもあります。 このうち、当社は、「近接・近傍型」、「マイクロ波型」を軸に事業展開をはかっていきます。

     無線タグの主な導入分野としては、(1)履歴管理分野、(2)ID管理分野、(3)盗難防止分野などが想定されています。 (1)履歴管理は、人や物の履歴情報を時系列的に管理するもので、 小売業の商品管理・物流管理、製造業の容器・パレット管理等に応用されます。 (2)ID管理は、ID情報をもとに人・物を識別したり、位置管理等に利用され、 航空手荷物、入出室管理等の識別、追跡調査等に利用できます。 (3)盗難防止分野では、自動車キー、商品、美術館等への応用が考えられます。
     無線タグは、従来のバーコードに比べ、複数情報を一括処理できるマルチリード機能を有し、 さらにデータ容量が大きいため商品と付帯情報の一体管理が可能となり、 精度の高い商品管理が実現できます。 こうした、特長を踏まえて、当社としては、システムの付加価値が高い、 履歴管理分野とID管理分野に注力していきます。
     当社がターゲットとする無線タグの国内市場は、 今後大きく市場が立ち上がると予想されており、 2001年には4億5千万個と予想しています。

  2. 無線タグ事業の展開について
     当社は、無線タグ商品として「近傍・近接型」から「マイクロ波型」まで、 幅広く顧客の要望に応えられるようにラインナップ化を進めており、 今秋から順次商品化をはかっていきます。 当面は、「近接・近傍型」の開発に取り組み、順次「マイクロ波型」に取り組み、 その製造については、凸版印刷および東芝ケミカルと協力していきます。 特に、ICカードと両輪で事業を進める強みから、非接触式ICカードの技術を応用することで、 技術の共有化をはかり、無線タグの低コスト化をはかります。 また、販売面では、当面、国内市場に特化した事業展開をはかります。

     無線タグ事業は、現在のところ簡易な盗難防止用市場が大半をしめており、 当社がねらう無線タグ本来の特長を生かした履歴管理分野・ID管理分野では無線タグの特長を生かしたシステム用途開発による市場の拡大が不可欠です。
     当社としては、まず無線タグ市場の拡大に向けて、 各種産業・流通別システムを手がける社内SI部門や社外のSI事業者と連携して、 その業務ノウハウを活かしながら、用途開拓を積極的に行い、 当社の総合力を生かしたシステムソリューション事業として展開していきます。

     当面の事業開拓分野として、商品管理を取り上げ、技術開発、用途開拓を進め、 各種業務・業種向け履歴管理・ID管理システム等をパッケージ化して、 事業領域の拡大をはかります。 また、業界団体に働きかけて、原材料管理から製造、卸、小売り、 サービス分野に至る一貫的な管理での無線タグの活用を進めていきます。


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