次世代コンバインドサイクルに関する協業について

1998年6月2日

株式会社 東芝
ゼネラル・エレクトリック社

 株式会社 東芝および米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社は、 1500℃級のガスタービンを適用する次世代のコンバインドサイクル発電機器・システム(H型システムTM)に関し、 世界市場を対象に開発、製造、営業などの各分野においてRSP(リスク・アンド・レベニュー・シェアリング) 方式で両社協力し事業を展開していくことで合意しました。

RSP(リスク・アンド・レベニュー・シェアリング)方式
特定のパートナーとの間において製造の分担に対応し、 リスクと収入を分け合う包括的契約方式

 コンバインドサイクル発電は、燃焼ガスによるガスタービンの出力に加え、 ガスタービンからの排出ガスで蒸気を発生し蒸気タービンを回転させることによって発電を行う、 エネルギー効率に優れたシステムです。
 H型システムに採用されるガスタービンは、高温部(動・静翼)を蒸気で冷却することによって、 ガスタービンの入口燃焼温度を現在の1300℃から1500℃に高めるものです。 これにより、H型システムは熱効率60%以上を達成するとともに最大48万キロワットの発電出力を実現します。 また、H型システムは現在のシステムに比べコスト競争力があり環境性に優れた発電機器・システムです。

 東芝およびGE社は、1956年から40年以上にわたり電力機器分野において培ってきた技術・製造面での協力関係を下に、 今回さらにH型システムにおける開発、設計、製造の面などでの協力関係へと発展させるものです。 これにより、両社の持つ技術力を結集し、開発の加速と新技術の早期市場投入を実現します。
 1500℃級ガスタービンの設計・製造はGE社で行い、蒸気タービン、 発電機の設計・製造については東芝が行います。 また、空気圧縮機はGEが設計し東芝が製造します。

 H型システムに採用されるガスタービンは、 本年5月に工場試験を米国サウスカロライナ州グリーンビルで完了しており、 今後さらに、2000年の現地負荷試験を経て、 2001年に営業運転開始を目指しています。

 日本は世界の中でもH型システムの大きな市場となると予想され、 東芝とGE社は両社の密接な連携によってアジアを中心としたコンバインドサイクル発電市場において需要の拡大を図っていきます。 また、H型システムは日本・アジア地域だけでなく北米においても急速な需要の拡大が見込まれています。 両社は、今日の協力関係をもとに、世界のコンバインドサイクル市場において事業の拡大を図り、 世界で確固たる地位を築いていきます。

H型コンバインドサイクル発電システムについて
 H型システムTMは、ガスタービンの高温部(動・静翼)に蒸気冷却を採用することによって、 他のコンバインドサイクル技術が空気冷却方式を使っているのに比べ、 より高い燃焼温度を可能にし、発電効率を向上します。 さらに、次世代の低NOX燃焼技術を用いることによって、 より厳しい環境規制にも対応できます。H型システムは、 環境性に優れるとともに高い発電効率を有するコンバインドサイクル発電を低コストで実現するものです。


  • H型システムTMはGE社の登録商標です。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。