新製品の主な特長

  1. 1回の息止めで検査が終了
     胸部検査では患者の息止め1回(30cm領域を15秒、スクリーニング目的なら8秒)で撮影が終了します。 高速画像再構成により、撮影の終了とほぼ同時に診断も完了でき、 すぐさま患者の解放ができます。また必要と判断されれば、 その場ですぐCT透視*4(オプション)下で穿刺術あるいはインターベンション術*5を施行できます。 また、従来では患者が再度病院を訪問し再検査をする必要がありましたが、 初回検査での診断精度が上がることで、再検査の必要性が少なくなります。 従来のCT検査の概念を一新する装置です。

    *4: CT透視方式
    CTのリアルタイム画像再構成技術を応用した術式。従来型X線透視術式と同じセンスで、 CTリアルタイム画像下で穿刺術、インターベンション術が施行でます。 さらに、CT透視下で最小侵襲性治療(Minimally Invasive Treatment)が試みられています。
    *5: インターベンション術
    外科手術を行わずに経皮的に治療する術式。 X線アンジオやCTスキャナーなどの画像診断装置を利用し、 体表から血管にカテーテルを挿入し狭窄した血管を再開通させたり、 体表からチューブを通じ肝腫瘍内にエタノールを注入し患部を治療したりする。 切開をせずに治療が行える為、患者への負担が少なくて済むメリットがある。

  2. 心臓・循環器領域等の新しい臨床応用
     新製品は、1回転0.5秒のスキャンスピードを実現したことで、 心臓、循環器領域への新たな臨床応用が可能です。 また、0.3秒 のハーフスキャンが利用できます。 0.3秒という極短時間になると、 従来CTでは体動の影響を直接受けていた心臓近辺の画質も鮮明です。

  3. より侵襲性の少ないCTアンギオ
     頭部検査では、患者にとって、侵襲性の少ない経静脈でのCTアンギオ(血管造影検査)がより高い診断能で施行できます。 頭部CTアンギオは対象となる血管が造影剤で造影されるベストタイミングを捉え極短時間で撮影する必要があります。 新製品では超高速スキャン技術と0.8mmスライス並びにリアルタイム画像再構成技術により、 ベストタイミングで、より短時間に、より精密に血管構造を撮影でき、 例えば従来のCTでは困難であった小さな動脈瘤の診断に有力となります。 これにより、従来型X線アンギオ撮影をせずに、 患者にとってより侵襲性の少ないCTアンギオ検査で手術に向けての判断を行うケースがますます増えてくるものと期待されます。

  4. 患者被曝を低減
     侵襲性の少ない術式で、より快適かつ短時間で検査を行うことができます。 患者のX線被曝も侵襲の一つと捉え、 最小のX線被曝で高い画像診断能を実現する技術を開発しました。 新規開発のX線フィルターにより人体に吸収され易い低エネルギーX線を積極的にカットしています。 高速スキャンと低被曝で、小児領域への応用に有効です。

  5. CT検査の質の向上
     0.5秒スキャンによる時間分解能の向上に伴い体動アーチファクトは軽減され、 息止めの困難な患者や小児、救急患者に対してもクリアな画像を提供できます。 X線出力も最大500mAまでサポートしていますので、 ほぼ全ての検査に対し0.5秒スキャンを適用できます。 さらに、CTによる臨床の適用範囲を大きく左右してきた管球性能も世界初の陽極接地方式を採用する事により、 最大冷却効率1386kHU/分と世界最高仕様を実現。 熱の発生抑制と冷却効率向上という両面の効果を生み、 容量は従来管球での10MHU以上に相当します。 それに従いほとんどのルーチン検査で待ち時間が不要となり、 高速回転での広範囲連続撮影及び繰り返し撮影が可能ですので、 腹部の連続造影検査、救急時の広範囲撮影、 薄いスライス厚での広範囲頭部CTアンギオなど、 従来、管球性能に起因していた臨床上での限界を打破すると共に、 待ち時間のない快適なオペレーションを実現します。

  6. 今日の病院経営、医療サービス環境に最適
     新製品は全く新しい操作性を採用しました。 設計時に「人間の直感性」を十分研究することで、 誰でも操作が的確に行えるグラフィック・ユーザ・インタフェースを開発。 これにより、高級機にもかかわらず、普及機並みの操作性を実現。 そしてわずか3コンポーネントの構成で、設置はいたって容易。 また病院内のネットワークにも最大に応えられるよう、 DICOMでのコネクティビティをフルサポートしています。
     検査・治療の効率化に加え、 病院内の管理体系にも十分応えられるシステム設計になっています。


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