富士通、東芝とNECがスタック型マルチ・チップ・パッケージの仕様共通化で合意

1998年9月17日

大容量フラッシュメモリとSRAMの世代間互換を重視

富士通株式会社
株式会社東芝
日本電気株式会社

富士通株式会社、株式会社東芝とNECは、フラッシュメモリとスタティックRAM(SRAM) を混載するスタック(積み重ね)型マルチ・チップ・パッケージ(MCP) の仕様を共通化することで合意しました。
製造および販売は三社がそれぞれ独自に行いますが、仕様を共通化することにより互いにセカンドソースとなり、 スタックMCPを普及させるとともに、製品供給の安定化を図ってまいります。

近年、携帯機器市場の拡大にともない、 携帯電話などに使われるプログラム格納用のフラッシュメモリとCPUの動作中に 一時データを格納するSRAMの需要が増大しております。また、携帯機器の高機能化への対応や、 より携帯性を高めるために、各々のメモリ素子のパッケージの小型化が強く要求されています。
そのような背景から、昨年4月に業界で初めてフラッシュメモリとSRAMを平面配置して 一つのパッケージに搭載したMCPを仕様化して供給を行い、お客様からご好評を頂いております。

今回、新たに仕様を共通化したMCPは、システムの更なる小型化のご要求にお応えするため、 フラッシュメモリとSRAMをスタック構造にし、パッケージの実装面積を最小化にすると共に、 将来の大容量フラッシュメモリにも拡張可能なピン配置となっています。
基板との接続に用いる金属のボールの数は、空きボールを除いて56個(8 x 8)を規定いたしました。 ボール間ピッチは基板への実装時の使いやすさを考慮し、0.8ミリメートルとしています。
また、パッケージの外形は、フラッシュメモリとSRAMを搭載したBGA(Ball Grid Array)タイプです。 システムにおけるメモリ素子の占有面積は、従来のTSOP(Thin Small Out-line Package) を2個使用したときと比べ、 約3割に削減することができます。

 また、今回スタックMCPのピン配置の最適化のために特別にフラッシュピンコンパチブルのSRAMを開発し、 本スタックMCPに搭載します。フラッシュコンパチブルのSRAMを重ね合わせることにより、 スタックMCP内部の配線の最適化、パッケージの小型化を実現することが可能になりました。
 更にx8出力とx16出力切り換えのための専用端子を設けており、1つの製品でSRAM出力/ フラッシュ出力をx8/x8、x8/x16、x16/x16の中から選択できます。 これにより、お客様の設計の自由度を増すことが可能になりました。

本スタックMCPは、4Mビットから128Mビットのフラッシュメモリと1Mビットから128MビットのSRAMを 組み合わせた構成が可能です。どの構成でも端子配列の互換性が保たれます。
今後、各社より、16Mビットや32Mビットフラッシュメモリと2Mビットや4MビットSRAMが組み合わされた商品が、 順次出荷される予定です

なお、今回のスタックMCP仕様の共通化については、セイコーエプソン株式会社、現代電子産業株式会社、 三星電子株式会社からもご賛同を頂いており、業界標準を目指して市場への普及に努めてまいります。



[本スタックMCPの特長]
パッケージタイプ BGA
ピン数 56個( 8×8)(空きボールを除く)
ピン間隔 0.8mm
ビット構成 x8/x16ビットの組み合わせが搭載可能
製品出荷時期 サンプル1998年末、 量産1999年 春


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