農村などの小規模下水処理場から生じる汚泥の処理に最適な「移動式汚泥処理車」の新製品発売について

1998年11月4日

処理後の乾燥汚泥を自然発酵させることで肥料として利用でき、
廃棄物の大幅な削減に貢献

 当社は、トラックに積載した乾燥装置で農村などの小規模下水処理場(農業集落排水処理施設等) から生じる液状の汚泥を処理し、顆粒状の乾燥汚泥(含水率約50%)を生成することができる「移動式汚泥処理車」の新製品を商品化し、 本日から自治体向けに本格的な販売活動を開始します。
 据置型の汚泥処理設備を複数の処理場にそれぞれ設置する場合に比べ低コスト*1で導入できます。 また、含水率80%程度の乾燥汚泥しか生成できない一般的な処理車に比べ、 新製品で生成された乾燥汚泥は含水率約50%と発酵しやすく、 自然発酵させることで特殊肥料としても利用できるため廃棄物をゼロにすることができます。

 新製品は、トラックに汚泥脱水機やスクラバー(排ガス処理装置)、 当社独自の小型汚泥乾燥機(遠心薄膜乾燥機)、ボイラなどを搭載した汚泥処理システムで、 複数の農業集落排水処理施設等を巡回することができます。 新製品の1台あたりの処理能力は1時間あたり1mで、 対象人口1,000人規模の町や村の排水処理施設なら1ヶ月あたり3カ所程度を処理することができます。
 また、従来製品に比べ、システム全体のコンパクト化を図り4トントラックへの積載を実現した(従来は5トン) ことにより普通免許での運転が可能となったほか、 新たに発電機を搭載することで処理場側に電源がない場合にも処理が可能になるなど、 使いやすい設計になっています。

 農林水産省では農村の自然環境を維持するため、 農業集落排水処理施設の設置を進めていますが、下水処理で生じる汚泥の処理は、従来、 脱水処理後(含水率約80%)に補助燃料を用いて焼却し焼却灰を埋め立て処理したり、 海洋へ投棄するなどの産業廃棄物処理が一般的でした。 新製品の導入により、乾燥汚泥を農地還元できるため、環境への負荷をより軽減でき、 産業廃棄物の処理費用が不要になります。

 当社は、本格販売に先立ち複数の自治体に対し、 新製品の導入について働きかけを行ってきましたが、 今般、環境保全活動に意欲的な富山県利賀(とが)村など3つの自治体での採用が正式に決定したことを受け、 全国規模での販売活動を開始します。

*1: 同程度の能力を持つ据置型汚泥処理設備1式の価格は、 8,100万円(据付工事費を除く)なのに対し、 移動式汚泥処理車は1台9,500万円。


新製品の概要
商品化の背景と狙い
新製品の主な特徴
新製品の主な仕様
新製品のシステム構成図
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