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高速・低消費電力の次世代通信用横型バイポーラ素子を試作実証

1998年12月4日

 当社は、データ通信の分野における2〜5ギガヘルツの高周波数領域の実現に向けて、 低消費電力で低コストの通信LSI用シリコンバイポーラトランジスタを試作し、 最高発振周波数として、横型としては最高値である32ギガヘルツの最高発振周波数を得るとともに、 製造工程を大幅に削減できるなどの基本性能を実証しました。

 今回開発した素子は、2000年以降に実用化される、 2ギガヘルツ帯のW−CDMA(広域符号分割多元接続)において、 アナログ回路に搭載して使用することが可能です。 さらに、無線LANや高速道路での料金自動支払システムなど、 広範な応用が考えられる5ギガヘルツ帯においても、 消費電力が大きいSiGeバイポーラ素子の代替として使用することも可能となっています。 また、CMOSを混載することで、ベースバンド部を取り込んだワンチップ化も実現できます。

新技術の主な特長

 通信LSI用トランジスタは現在、エミッタ、ベース、コレクタを、 縦方向に積み上げたバルクシリコン素子と呼ばれる複雑な構造をとっているため、 消費する電力が大きく、工程も複雑なものとなっています。 今回、試作した素子は、厚さ400ナノメートルのシリコン酸化膜上に、 厚さ100ナノメートルの単結晶シリコン層を形成したSOI(Silicon On Insulator)基板に、 エミッタ、ベース、コレクタを横方向に形成する、横型バイポーラトランジスタです。

 素子分離には、シリコン層をエッチングするだけのメサ型分離を用い、 内部ベースの形成には、砒素とボロンのイオン注入と横方向拡散を用いています。 また、外部ベースは内部ベースの真横から取り出し、 その形成に自己整合プロセスを用いることによって高周波動作を妨げるベースの寄生抵抗を約1/5に低減することに成功しています。 この結果、最高発振周波数として、同構造ではこれまで最高値の32ギガヘルツを得ることができます。 消費電力は、バルクシリコン基板に作る従来技術と比べて一桁以上少ないことも確認でき、 今後、内部ベース幅をさらに低減(今回は0.2マイクロメートル)し構造を最適化すれば、 最高発振周波数は60〜80ギガヘルツまで増加することもシミュレーションにより予測しています。 また、現在のバルクシリコン素子に比べて、素子構造が単純なため、 工程数を約4割削減することができます。

 なお、今回開発した技術は、12月6日よりサンフランシスコで開かれるIEDM(国際電子デバイス会議)で発表します。

従来型バイポーラトランジスタ

断面図


SOI横型バイポーラトランジスタ

断面図


平面図


鳥瞰図



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