松下、ソニー、東芝など国内7社がPOF用コネクタでコンソーシアム

1999年6月3日

日立電線株式会社
松下電器産業株式会社
日本モレックス株式会社
SMK株式会社
ソニー株式会社
大宏電機株式会社
株式会社 東芝

日立電線株式会社、松下電器産業株式会社、日本モレックス株式会社、SMK株式会社、 ソニー株式会社、大宏電機株式会社、株式会社 東芝(順不同)の7社は、 プラスチック光ファイバ用コネクタの小型化を検討し、共通仕様を作成する準備を進めてきました。 今回、共通仕様を策定するためのコンソーシアムの会則を制定し、コネクタメーカー、トランシーバメーカー、 ファイバーメーカーなど広く業界に参加を呼びかけることになりました。

プラスチック光ファイバ(Plastic Optical Fiber : 以下POF)(1)は、 高速の信号を低コストで伝送するのに適した広帯域性と取り扱いの容易性を兼ね備えたファイバであり、 既にATM(2)やIEEE1394(3)などの高速デジタルインターフェースへの採用が決まっています。
しかしながら、これらのデジタルインターフェイスでは、 POFと光トランシーバ(4)をPN型(5)と呼ぶ比較的大きなコネクタで接続するため、 デジタル機器を小型化する上で大きな課題になっていました。

上記7社が準備を進めてきたコンソーシアムでは、光コネクタをPN型の1/2程度に小型化することを目標としており、 次世代の情報家電機器を相互接続する際の共通インターフェイスとして検討する予定です。 特に、次世代の高速インターフェイスとして有望なIEEE1394などでは信号の伝送速度が1Gbps程度にもなるため、 実用化を図る上で、高速性と接続の容易性を兼ね備えたPOFの導入と、 POFに適した小型光コネクタ及び光トランシーバの開発が極めて重要となっています。
光コネクタを小型化することで、情報家電機器の小型化が容易になるだけでなく、 小型光コネクタを高密度に配置することにより、一つの機器に接続できる端末数を増加することができます。

今後は、国内外の関連する標準化団体へも積極的に提案し、業界の標準化を推進する予定です。

語句説明

(1) プラスチック光ファイバ(POF: Plastic Optical Fiber)
プラスチックを材料とした光ファイバで、低コスト、取り扱いの容易性、安全性などが特長です。 構造的には、ステップインデックスファイバ(SI-POF)とグレーデッドインデックスファイバ(GI-POF)に分類されます。 前者は、音声信号や制御信号など、比較的低速の信号を伝送するのに適しており、 現在複数のファイバーメーカーより市販されています。 後者は、映像信号やコンピュータデータなど、100Mbpsを超える高速の信号を伝送するのに適しており、 大学やファイバーメーカーなど複数の機関が開発に取り組んでいます。

(2) ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送方式)
通信方式の一つで、デジタル信号はパケットと呼ばれる小さなセルに分割され、 通信回線の空き時間を利用して伝送されます。伝送媒体としては、POFやPCF(Plastic Clad Fiber)などが利用されます。 交換機など局内設備間の伝送や次世代のアクセス網伝送方式として有望視されています。

(3) IEEE1394
高速デジタルインターフェイスのひとつで、 連続的なデジタル映像・音声信号と間欠的なデータ信号を共通の媒体で伝送することができます。 国際的な標準化団体IEEEでは、短距離(4.5m以下)の通信では電気インタフェースを、また長距離(50m以上) の通信ではPOFや石英系ガラスファイバを利用した光インタフェースなどを前提に、標準化作業が続けられています。

(4) 光トランシーバ
電気信号を光信号に変換する光送信部と、光信号を電気信号に変換する光受信部が一体となった光通信用モジュールのことです。 光ファイバとは、光コネクタを介して接続されます。

(5) PN型光コネクタ
ATM フォーラム(ATMに関連する業界標準化団体)が採用した双方向伝送用POF光コネクタで、 外形寸法は20.3X22.7X8.5mmです。


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