開発のポイントと背景

 今回の開発発表は、98年に当社が同学会で発表した世界初のMPEG4画像圧縮・伸長LSIコアをベースに、 携帯テレビ電話やマルチメディア・ブラウザに必要な機能である音声圧縮伸長、 オーディオ伸長、ビデオと音声の多重分離機能を搭載するとともに、 CMOS型固体撮像素子や液晶パネルと接続するための画像入出力インターフェース回路を内蔵し、 16MビットDRAMを混載したものです。

 従来、ビデオLSI、音声DSP、DRAMなど個別部品で構成されていたマルチメディア信号処理部を1チップ化することにより、 その大きさを携帯電話筐体に収容容易な1cm角レベルにまで小形化しました。
 また、混載DRAMを前提としたシステム構成の最適化、画像圧縮・伸長処理回路の改良、 動作時と待機時のしきい値電圧を制御するVT-CMOS技術、効率的な動きベクトル検出方法の開発などにより、 マルチメディア信号処理部全体の消費電力を240ミリワット以下とし、 携帯電話に不可欠な低消費電力を実現しました。

 最近になって、携帯電話端末は、インターネット接続や画面のカラー化が進展しています。 2001年からサービス開始が予定されている次世代携帯電話IMT-2000では、 通信性能が飛躍的に向上し、エラー耐性に優れ、圧縮効率が高いMPEG4の採用により、 音声だけでなく動画像を転送することが可能となります。
 今回、当社が世界に先駆けて開発した次世代携帯電話向けMPEG4対応システムLSIは、 携帯テレビ電話やマルチメディア・ブラウザの実利用を可能にするためのキーデバイスです。 現在の携帯電話のコンパクトさを維持したまま、 インターネット上の豊富なオーディオ・ビジュアル・コンテンツを再生したり、 テレビ電話で通話相手と顔を見ながら会話するなど多様な応用が可能になり、 新たなモバイル・パーソナル・マルチメディアの世界を実現します。


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