一般消費者向けインターネットサービス事業について

(1) 「iバリュー クリエーション社」の設置について
・・・・・・モバイル・インターネット事業に注力

 一般消費者向け分野(BtoC)において、モバイルを核としたインターネットサービス事業の拡大と、 メディア・コンテンツ事業との効果的連携をはかるため、 現在、コーポレート部門とデジタルメディア機器社に分散している両事業の関連部門を統合し、 新しい社内カンパニー「iバリュー クリエーション社」を2000年4月1日付で設置します。
 同社には、モバイルを核にしたインターネットサービス事業を行う「WebTopサービス事業部」と、 インターネットやデジタル放送向けなどのメディア・コンテンツ事業を推進する「メディアコンテンツ事業推進室」を置き、 両事業の効果的な連携によりサービス事業、コンテンツ事業の強化・拡大をはかります。

 インターネットビジネスは、これまでの固定電話回線をベースにしたデスクトップPC主体の第一世代から、 ワイヤレス技術の進展とモバイルインフラの整備と相俟って、 モバイル端末機器により場所や時間を選ばずに情報やサービスが受けられる第二世代へと進みつつあります。

 とくにわが国においては、携帯電話の契約者数が、すでに5,000万人を超え、 なかでも「iモード」への加入者が急速に伸長していることから、 モバイル・インターネットが今後大きく拡大していくものと見込まれます。
 さらに、広帯域で動画像をはじめとする大容量データの送受信が可能となるW-CDMAなど次世代携帯電話の普及が進む段階では、 モバイル・インターネットがインターネットの主流になると予想されています。

 当社は、モバイル関係では、すでに「駅前探険倶楽部」を中心にモバイル向けインターネットサービスを展開しており、 駅周辺の情報提供サービスや位置情報検索サービスなどで利用者は急速に拡大しています。 また、コンテンツを、「iモード」をはじめとする携帯電話や各種モバイル端末など受け手側の機器に合わせて自動的にフォーマット変換するMMSサービス (マルチソース・マルチユース・サービス)でも高い技術を有しています。

 加えて、デジタルコンテンツの分野では、タイムワーナー、角川書店、日本テレビなど各分野の有力企業との提携により、 映像、音楽、出版などの分野で幅広い実績を有しています。
 さらに、広帯域無線アクセス技術、ブルトゥースなどのワイヤレス技術、MPEG4などの画像圧縮技術、 ノートPC・携帯電話・PHSなどの端末機器、スマートメディア・SDメモリーカードなどのブリッジメディア、 システムLSI・ポリシリコン液晶・二次電池などのコンポーネントなど、 インフラから端末、部品に至るまでのモバイル関連の幅広い分野で、 世界トップクラスの技術を有しています。

 当社は、新しい時代を迎えつつあるインターネットビジネスにおいて、 モバイル・インターネットサービスを最重点に位置づけ、 今回設立する「iバリュー クリエーション社」を核に、 同分野におけるサービスやコンテンツでの経験、実績、ノウハウと、全社の幅広い技術を結集することにより、 市場をリードし競争を勝ち抜く成長性、収益性の高い事業に発展させていく方針です。

 「iバリュー クリエーション社」で行う個別事業については、 それぞれ独立会社の形態で運営することを基本とし、事業の特性に応じて、 迅速な意思決定システムの確立、資金調達手段の多様化、最適な人材の確保を進めます。 特に人事制度については、採用(通年採用、期間採用)、 処遇(年棒制、ストックオプション)などの面で多様な制度を導入していきます。

(2) モバイル向けポータルメニューの拡充について
・・・・・・松井証券へのわが国初のモバイル向け情報サービスの提供など

 Web Topサービスにおいて、(1)乗換案内や、ルートマップサービスなど、 駅を中心とした情報提供サービスを行っている「駅前探険倶楽部(*)」(100万ページビュー/日)、 (2)当社独自のフィルタリング技術により効率的な検索サービスを提供している検索サイト 「フレッシュアイ(*)」(120万ページビュー/日)、 (3)80種以上の新聞・雑誌から毎日必要な記事のみを、 インターネットで有料配信するサービスを行っている「ニューズウォッチ(*)」(顧客数:15,000)をコアに、 サービスメニューの拡大と充実をはかり、モバイル・インターネットのNo.1ポータルの地位を確立するとともに、 実サービスの拡大によりモバイル・インターネットECセンターに発展させます。

駅前探険倶楽部 : http://ekimae.toshiba.co.jp/
フレッシュアイ : http://www.fresheye.com/
ニューズウオッチ: http://www.newswatch.co.jp/

 当社は、モバイル向けポータルのねらいを、(1)移動する人への位置関連情報、交通関連情報の提供、 (2)ニュース、株価などリアルタイム性が求められる情報の提供、 (3)移動時間を充実、有効活用するための情報提供に置き、 移動している人が、駅や外出先、旅行先のホテル、車や電車の中など、 いつでもどこでもサービスが受けられる(シームレスなサービス)環境の提供をめざします。

 今後具体的に展開、強化していくサービスの例として、位置、交通関連情報の提供では、 現在首都圏、中部、関西の3地域でサービスを提供している「駅前探険倶楽部」を全国展開するほか、 「iモード駅前探険倶楽部」での提供情報の充実をはかります。 また、他の携帯電話やPHS向けにもサービスを順次拡大していきます。

 ポータルメニューでは、金融、旅行、娯楽、音楽などの提供メニューを拡大するとともに、 音楽配信、映像配信、旅行代理、チケット販売、オークションなど、実サービスの拡充にも積極的に取組みます。
 書籍販売では、ネット書籍販売会社「(株)本屋さん」に対して資本参加し、 ネットを通じた書籍販売サービスを開始します。

 証券分野では、ラジオたんぱ、NSB通信社との共同により、株価情報、投資信託情報などを、 モバイル・インターネットを通じて証券会社の顧客向けに提供するサービスを行います。
 このサービスでは、当社が開発したモバイル向けフォーマット変換技術(MMS)を活用することにより、 いずれのタイプの携帯電話やパソコンでも、サービス提供側で相手側の機種を認識し、 それにあった形で自動的に情報配信を行います。
 また、上記サービスに加え、モバイル端末によるトレーディングサービスも提供する計画です。
 その第一弾として、松井証券株式会社(本社:東京都千代田区,代表者:代表取締役社長 松井 道夫氏)に、 2000年4月からサービス提供を開始します。

 当社は、コンテンツを各種モバイル端末など受け手側の機器に合わせて自動的にフォーマット変換するMMSサービスを利用して、 他の多くのコンテンツプロバイダーから、 モバイル向け配信を受託するサービス事業を展開していきます。

(3) メディア・コンテンツ事業への取組み
 メディア・コンテンツ分野では、(1)AOL・タイム・ワーナーとの新しい提携関係の構築、 (2)音楽分野におけるワーナーEMIミュージックとの関係強化、 (3)トワーニ(日本テレビ、ワーナー・ブラザースとの合弁会社)やトスカドメイン (角川書店との合弁会社)の活用による映像分野における事業強化、 (4)電子出版など書籍・出版分野における角川書店との関係強化等を通して、 良質のコンテンツ類を準備し、事業の拡大をはかります。

 また、モバイル放送、BSデジタル・データ放送などの分野においても、 あらゆるモバイル空間でアクセスできるサービス事業を計画していきます。

(4) 端末機器への取組み
 さらに、端末機器の分野でも、ブルトゥース、MPEG4、システムLSI、ポリシリコン液晶、 二次電池など当社のもつ技術の優位性を生かした革新的なモバイル・インターネット端末機器を提案していきます。


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