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ネットを介したIP取引の仕組みを作る企画会社の設立について

2000年5月29日

東芝,三菱商事,日経BP社の3社で「IPTCプランニング株式会社」を設立

株式会社東芝
三菱商事株式会社
株式会社日経ビーピー

 株式会社東芝(以下,東芝),三菱商事株式会社(以下,三菱商事),株式会社日経ビーピー(以下,日経BP社)の3社は共同で, システムLSIの設計資産(IP:Intellectual Property)をインターネット上で取引する仕組みを作る企画会社 「アイ・ピー・ティー・シー・プランニング株式会社」(以下,IPTCプランニング)を本日設立しました。 IPTCプランニングは3社の均等出資で,資本金は1億2000万円となります。

 IPTCプランニングは今後取引会員を幅広く募っていき, 事業計画の立案が終了する2000年10月に事業会社「IP取引センター株式会社」(以下,IP取引センター)に移行します。 同時に、新たな出資企業を募って,IP取引センターを半導体産業全体の共有のインフラとしていきます。

IPTCプランニングの目的
 IPTCプランニングは, インターネットを介して会員間で,半導体設計資産であるIPを迅速, 安全かつ公正に取り引きできる場を日本国内に作ることを目指しています。 また,デザイン・サポート,シリコン上での検証などIPの流通に不可欠な役割を担う企業と協力し, IPを流通させるためのインフラを整備していきます。それにより,エレクトロニクス産業の発展に貢献します。

 IPTCプランニングでは,IPTCを設立,運営するための準備段階として, 事業計画の立案,取引の仕組み作り,ユーザーのニーズ調査,そのフィードバック,システム開発, 多くの企業に対する取引参画への呼びかけなどを行います。

各社の役割
 東芝はシステムLSI設計の総合的な技術と契約・特許等に関する知識・経験を, 三菱商事は商社としての金融・流通および電子商取引に関わる知識を, 日経BP社は紙媒体やインターネットを通した情報発信能力をIPTCプランニングに提供します。 グループをも越えた異業種3社の強みをIPTCプランニングに結集し,IP流通の仕組み作りを先導していきます。

外部機関との連携
 しかし,この3社だけでIPを流通させる場を立ち上げられるものではありません。 いろいろな企業,団体の協力を仰ぎながら仕組み作りを進めて行きます。 具体的には,通産省の協力を受け,同省が支援する各種プロジェクトとの連携を図っていきます。

 例えば,半導体メーカー12社が共同で運営している半導体産業研究所のIP流通ワーキング・グループや, 半導体理工学研究センター内にこの4月に設けられたIP流通の技術インフラ整備を行う開発部と協力します。 これら団体で検討された結果を,IP取引センターで実用化する方向で話し合いを進めています。 また,IP Highwayコンソーシアムとも協力し, 新会社は、IP Highwayコンソーシアム等で決められた規約等をIP流通の仕組み作りに利用します。

 IPTCプランニングは,海外の企業,団体とも協力関係を築きます。 スコットランドにあるIP取引センターVCX(Virtual Component Exchange)と相互協力の話し合いを進める予定です。 また,IPの標準化団体であるVSIA(Virtual Socket Interface Alliance)に対しては, VSIAで決まった標準を積極的に推奨する役割をIPTCが担うことになります。

 IP取引センターの仕組み作りにはユーザー・コミティ(仮称)を設け, 将来,IP取引センターの会員になっていただくIPプロバイダ,半導体メーカー, 応用機器メーカーなどのニーズを把握します。これにより,会員の要望を取り込んだ取引の仕組みを構築します。

背景

半導体IPは機器の価値の源泉
 21世紀に向け、デジタル家電、携帯情報機器、ネットワーク機器の市場は急速に成長します。 これら機器の開発を支えているのはシステムLSIです。 デジタルTV,携帯電話,ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)が提供する機能やサービスは, すべてシステムLSI上の回路およびソフトウェアによって実現されます。 すなわち,これら半導体の設計資産IPによって機器の価値が決まるといえます。

標準的半導体IPは外部から調達
 ところが,システムLSIの大規模化・多機能化が進み,すべてのIPを1社だけで賄い, タイムリにチップを供給するのは難しい状況です。 性能・機能を差別化するための付加価値の高いIPを自社で開発し, それ以外の標準的なIPを外部から調達する仕組みの整備が急務です。 IPを外部から調達できる仕組みがなければ,携帯電話,デジタル家電, ITS向けに必要なシステムLSIをタイムリに供給できず,産業発展のボトルネックになりかねません。

流通面でのインフラ整備が不可欠
 こうした状況にもかかわらず, IP流通の概念自体が出来て日が浅いこともあり, 流通の仕組みはいまだに整備されていません。このため,IPを取引する際の契約に半年以上かかる, 品質が不明確である,第三者特許侵害のリスクがあるなど,IP流通の問題点が未解決のままです。 IPは新しい概念であり,そのコンテンツの特殊性を考えると, IP流通のための新たなビジネス・インフラを構築することが不可欠です。 例えば,信頼できる正確なIP情報の入手,短期間で契約を締結できる仕組み, 対価の支払いの効率化などを目的としたインフラ整備が必要になります。

IPTCプランニングが想定するIP取引センターのサービス概要
 IPTCはIP流通の阻害要因を取り除くため,主に次の四つの視点から会員に対するサービスを提供します。

  • 標準ライセンス契約書,標準機密保持契約書の提供,会員規則,取引規則
  • 購入前に品質を確認できる仕組み
  • 第三者特許侵害のリスクを回避する仕組み
  • IP情報を開示する仕組み

1)標準ライセンス契約書,標準機密保持契約書,会員規則,取引規則の提供
 IPTCは,標準ライセンス契約書および標準機密保持契約書,会員規則,取引規則を用意します。 会員間では,この標準契約書を使ってIPを取引します。

2)購入前に品質を確認できる仕組み
 IPの品質問題に対しては,二つの方向から仕組み作りを考えています。 一つは,品質の格付け,もう一つが検証環境の提供です。
 品質の格付けは,IP取引センターによる会社信用調査, 第三者特許の調査およびチェック・リストに基づく品質確認です。 信号の名称やインタフェースがVSIAの標準に準拠しているかという設計品質や, どのような方法で検証されているかという検証レベルを,チェック・リストに基づき自己または第三者が評価します。
 検証環境の提供では,ユーザーがIPの機能や性能を評価できる環境を提供します。 シミュレータやFPGA(Field Programmable Gate Array)ベースのエミュレータをIPTCに用意し, ユーザーが所望のIPと独自設計した回路を組み合わせて評価できる環境を構築します。 また,シリコン上にIPを試作して性能や動作を検証できる仕組みも提供する予定です。

3)第三者特許侵害のリスクを回避する仕組み
 特許の問題に対しても二つの視点からリスクを回避する仕組みを構築します。 第1は紛争を未然に防ぐという視点,第2は費用のかかる訴訟を避けるという視点です。
 第1の視点では, IPをマーケットにのせる前に第三者の知的財産権に抵触していないか調査を実施します。 調査はIPプロバイダが行うことを原則としますが、必要があればIPTCが外部調査機関を紹介します。
 第2の視点については, IP取引センターと協力関係にある弁護士・弁理士事務所が最終的に紛争の仲裁を行います。 紛争が発生した場合,まずは,IP取引センターの調停規則による調停をIP取引センターに依頼します。 それで解決しない場合はIP取引センターは協力関係にある弁護士・弁理士事務所と協力し,仲裁を行います。 これにより,裁判にかかる時間と経費を節約できます。

4)情報開示の仕組み

 情報開示では, IPに関する情報をフォーマット化し,IPカタログとして開示します。 IPカタログを蓄積したデータベースを構築し,会員がIP取引センターの機密保持契約に基づき検索できるようにします。 また,IP取引センターで蓄積した各種の情報は,統計化されて,会員に提供します。

IPとは
 IPとはIntellectual Propertyの略で,LSIの設計資産を意味します。 具体的には,システムLSIを構成する機能回路や,その上で動く組み込みソフトウェアを指します。 半導体技術の微細化が進み,従来,システムと呼ばれていた大規模な回路が一片のシリコン・チップ上に集積される時代に突入しました。 こうしたチップはシステムLSIと呼ばれます。 システムLSIは,すべての回路を一から設計すると完成するまでに2年近くかかることも稀ではありません。 これでは機器の開発に合わせてタイムリにチップを提供するのは困難です。 この問題を解決するために登場してきたのがIPです。検証済みのIPを利用することで設計期間を短縮できます。

市場規模
 IPの市場規模および取引件数は,調査会社が公表しているシステムLSIの市場規模をベースに予測しました。 世界で2001年に約540億円,2002年に約1000億円,2005年には約4600億円になるとみています。 ちなみに,システムLSIの市場規模は2001年が約2兆1000億円,2002年が約2兆8000億円, 2005年が約5兆5000億円と予測されています。 IPの市場規模の急激な伸びは,システムLSIの市場の拡大と1チップに占めるIPの外部調達比率の増加によるものです。
 取引件数は世界で,2001年に約1100件,2002年に約2400件,2005年には約1万5000件に拡大すると推定しています。
 日本での市場規模と取引件数は世界規模の1/3としてみており, 2003年以降,このうち約40〜50%がIPTCを通して取引されると考えています。


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IP取引所のイメージ
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