コンソーシアムの背景

 近年のB2BやEAI (Enterprise Applications Integration)などの進展は、業務アプリケーションの設計と実装を中心とした従来のシステム開発のほかに、アプリケーションの統合基盤の構築と、ビジネスニーズに直結した迅速なヴァーチャル・アプリケーション(分散アプリケーション協調)の実現という課題を現実のものとしています。 しかし、日本においてこうした新世代のシステム開発に必要な技能の普及は不充分で、何よりも人材を育てるための資源や機会が不足しているのが現状です。
 新しいインテグレーションに対応した技術者は、実装環境から独立した、オープンで標準的なミドルウェア環境技術であるCORBAと、システム分析/設計における標準的モデリング記法であるUML、汎用データフォーマットであるXML (eXtensible Markup Language)を中心とした技術に関する、体系的で専門的な技能を必要としています。
 CORBAやUMLは、ともに世界最大のソフトウェア標準化コンソーシアムであるオブジェクト・マネジメント・グループ(OMG)が仕様化し、ISO(国際標準化機関)でも採用されている技術標準です。 分散システムやコンポーネント技術を使用する高度なアプリケーション開発に不可欠な技術標準として近年急速に必要性への認識が高まり、多数のメーカーから実装製品が登場している一方、インストラクター、教材の不足、教育内容の一貫性の欠如など、さまざまな問題も生じており、技術の普及のためには、これらの課題を同時に解決するコンテンツを体系的、効果的に提供していく必要があります。 また、大学や専門学校を始めとする教育機関における技能養成のためにも、特定の製品技術に依存しない中立的な教材と、それらを容易に利用できる環境が期待されています。

 情報処理振興事業協会(IPA)の平成12年度委託プロジェクトとして実施された「ソフトウェア技術者向けCORBA/UMLトレーニング環境開発」は、こうした課題に応えようとするものでした。 このプロジェクトにより、技術の基礎を理解するためのコンテンツが7社の関係者の協力によって作成され、またカリキュラム体系やデータフォーマットなど、今後もこの成果の広汎な利用を促進し、内容を発展させるためのプロセスが合意されました。
 CUTEコンソーシアムは、この成果をさらに発展させるために設立され、CUTE-Cのウェブサイトを通じて必要な情報や環境の提供を行ってまいります。


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