医療分野におけるトータルソリューション事業の共同展開について

2001年6月14日

株式会社東芝
日本光電工業株式会社

 株式会社東芝・医用システム社(カンパニー社長 桂田昌生)と日本光電工業株式会社(社長 荻野 和郎)は、医療分野におけるトータルソリューション事業の共同展開を目的とした業務提携契約を本日締結しました。
 これにより、両社は、医事部門、検査部門、放射線部門、病棟部門、手術部門、集中治療・救急部門などの医療部門全般に対するこれまでの豊富な実績とノウハウ、商品群を融合することにより、医療現場の幅広いニーズに対してトータルなソリューションを提供できることとなります(別紙事業概況図参照)。

 両社は、すでに1981年に業務提携契約を締結しており、今回の提携はこれを両社の事業分野全域に拡大するもので、マーケット情報の共有化、両社共同での商品企画、両社販路を利用したユーザニーズの掘り起こし等により、国内医療機関に対する総合的なソリューションビジネスを展開していきます。

提携の背景と目的について

 東芝はX線CTなどの画像診断装置の分野で国内トップのシェアを有しているとともに、病院情報システム、放射線情報システム、医用画像システム等を数多く手がけており、病院内外のトータルソリューションを提供できるベンダーとして、医療情報システム事業の強化に乗り出しています。 その一環として、本年より医事会計ソフトをアプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)方式で診療所に提供するサービスをNTTコミュニケーションズと共同で始めています。
 一方、日本光電工業は生理検査系システムや集中治療室から病棟などのトータルな生体情報を中心とした患者データマネージメントシステムで国内トップのシェアを有するとともに、ペースメーカーやカテーテルなどの循環器系疾患における最先端の治療器を事業展開してきています。
 今回の提携は、顧客ニーズの変化に対応したもので、医用機器・システムの単なる提供から医療機関におけるプロセス変革を含めた、医療分野におけるトータルソリューションを提供するためのものです。両社の提携により、医事部門、検査部門、放射線部門、病棟部門、手術部門、集中治療・救急部門を通した製品が取り扱い製品となり、これら病院内全部門をスルーしたトータルソリューションの提供が可能になります。

提携内容について

 今回の提携はソリューション事業の強化を中心とした個別製品やシステムを含む、開発・生産・販売協力の包括的なものです。 提携の骨子は次のとおりです。

(1) 技術協力
(2) 販売協力
(3) 生産協力

 今後両社は、各項目毎に部会を設け、具体的な提携内容について協議を進めていきます。

 なお、技術開発協力については、両社は生体計測機器の波形情報、画像診断装置の画像情報、患者情報、治療時の情報を統合することにより効率的な診断を可能とする循環器部門のシステムの共同開発にとりくんでいます。 生体計測機器の波形情報と画像診断装置の画像を統合することにより効率的な診断に利用することが可能となり、検査の流れもスムーズになるため、医療業務の効率向上に役立つと期待されています。
 また、販売協力については、東芝製のデジタル式小型超音波診断装置を日本光電の販売ルートで販売するととともに、日本光電製の心電計・自動血球計数器などを東芝の販売ルートで販売していきます。

 なお、本提携に伴い、両社のソリューションシステム事業分野での売上高は、2003年度に約500億円を見込んでいます。

 今後、両社は、現行製品の販売や技術開発の協力だけでなく、IT化をベースにした総合的な分野の商品企画等でも幅広く協力を行ない、日本の医療におけるエンタープライズソリューション企業をめざしていきます。


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