開発のポイント

  1. 赤(R)・緑(G)・青(B)で発光するカラーシンチレータの開発

    従来のX線透視撮影では、フィルムに塗布する感光剤の撮影可能な感度の幅(ダイナミックレンジ)が狭く、X線の照射量が少ない(時間が短いか、弱い)場合には何も写らず、多すぎる(時間が長いか、強い)場合には全面的に感光してしまう性質がありました。 そのため、撮影対象のX線透過率に合わせてX線を適正な時間と強さに調整していました。
    今回開発したシート状カラーシンチレータは、素材となる結晶(GdS)に添加する付活剤元素(Eu)の濃度を最適に調整することで、X線に対して、赤・緑・青の3原色で発光させ、従来と比較してダイナミックレンジを約100倍に広げることに成功しました。 これにより、撮影対象のX線透過率に合わせた調整を厳密に行わなくても撮影することが可能となり、撮影の失敗を防ぐことができます。 また、X線透過率に違いのあるいくつかの対象物を同時に撮影することを可能にしています。

  2. CCDカメラの最適化

    カラーシンチレータのダイナミックレンジの広さに合わせて、撮影に使用するCCDカメラも高感度タイプを採用するとともに、カメラの内部感度やホワイトバランスなどの回路系を最適化しました。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。