東芝・松下電器 液晶事業を統合

2001年10月17日

2002年4月を目処に新会社設立

株式会社 東芝
松下電器産業株式会社

 株式会社東芝(以下、東芝)と松下電器産業株式会社(以下、松下電器)は、2002年4月を目処に、両社の液晶事業を統合し液晶事業新会社を設立することで合意しました。新会社への出資比率は、東芝60%、松下電器40%の予定です。

 新会社は、両社の液晶事業に関わる開発、製造及び販売の各部門を結集することにより世界第3位(2000年度売上高実績)の事業規模となり、統合後に期待される相乗効果により、液晶及び次世代ディスプレイのリーディングカンパニーを目指します。

 液晶市場は現在、事業参入メーカーの増加や需給軟化により競争が激化していますが、一方では、デジタル家電や情報端末などの新規応用分野での需要拡大が期待され、今後、年率約17%の拡大が見込まれる成長市場です。 今回の事業統合は、両社の持つ優位性と総合力を結集して、液晶テレビやインターネットアプライアンスなどに活用される液晶の新規分野開発を加速することで両社のメリットを最大限に引き出すことを目的として行うものです。

 新会社は、東芝の世界最先端の大型低温ポリシリコンTFT液晶量産技術と、松下電器が持つ世界No.1の液晶テレビ向け高速・高画質液晶技術、及び両社の保有する高輝度・低電力モバイル液晶技術の融合と両社が家電、パソコン、通信端末事業で培った経験や技術力を活かすことで、デジタルテレビ、パソコン、モバイル向けに最大のパフォーマンスを発揮していきます。 また、ユーザーシステム回路を半導体としてポリシリコン基板に内蔵させるシステム・オン・グラス技術の集積度を高め、より拡張性を高めることで、新たなアプリケーションの開拓を目指していきます。

 新会社は、今回の事業統合によるスケールメリットを活かすとともに、両社の高度な生産技術力の統合により、設計手法や製造プロセスの標準化を加速し、高密度実装・工程短縮などによるコストブレークスルー技術の開発を進め、国際競争力のある事業展開を図っていきます。

 統合対象となる低温ポリシリコン、アモルファスTFT液晶、STN液晶の製造拠点は、東芝の深谷工場(埼玉県)、姫路工場(兵庫県)の一部とTFPD(旧ディスプレイ・テクノロジー株式会社姫路工場)、松下電器のLCD事業グループの石川拠点(石川県)と魚津拠点(富山県)です。 また、両社の共同出資会社であるシンガポールの低温ポリシリコン製造拠点、アドバンスト・フラット・パネル・ディスプレイ株式会社は、今回の事業統合により、新会社の100%子会社になります。

 さらに、有機ELディスプレイについても、その基盤となる低温ポリシリコンに関する両社の知財、技術・製造リソースなどを結集し、早期事業化を図り、国際競争力を強化していきます。有機ELディスプレイは、携帯電話や薄型テレビ用の表示媒体として、今後液晶とともに、大きな需要が見込まれており、新会社は、有機ELに対する市場ニーズにも応えていきます。

液晶新会社概要


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