東芝、NEC、富士通が、次世代擬似SRAMの共通インタフェース仕様について合意

2002年3月14日

株式会社東芝
日本電気株式会社
富士通株式会社

 株式会社東芝、NEC、富士通株式会社は、次世代擬似SRAM(*1)のインタフェース仕様を共通化することで合意いたしました。本共通仕様にもとづく擬似SRAMの製造、および販売は3社がそれぞれ独自に行ない、2002年度後半から、各社より順次提供する予定です。

 次世代擬似SRAMの仕様共通化により、パッケージやピン配置などが統一されるため、お客様は設計基板の共通化が図れ、製品ごとに個別設計が不要になり、設計期間の短縮や、設計効率を大幅に向上できます。また、各社の仕様が共通化されるため、互いにセカンド・ソースとなり、製品の安定供給が図れます。

 これまで、携帯電話や携帯情報端末などのワークメモリとして低消費電力SRAMが使用されてきました。しかし、機器の高機能化に伴い、メモリにも大容量化や高速化へのニーズが高まっており、16メガビット品以上では、SRAMに代わって、高速で大容量化が容易な擬似SRAMが数多く使用されはじめています。

 擬似SRAMは、SRAMとの互換性を重視して設計されてきましたが、ピン配置など詳細なところまで、各メーカの製品仕様について共通化が図られておりませんでした。そのため、擬似SRAM、および擬似SRAMを搭載したスタック型マルチ・チップ・パッケージ(以下、MCP)の互換性が不十分でした。
 そこで、今回の共通インタフェース仕様では、互換性の問題を解決するために、メモリ容量、電圧範囲、コントロール端子名、各種機能、パッケージなどのユーザ・インタフェース仕様の統一化を図りました。これにより、お客様は、効率的に3社の次世代擬似SRAMをご使用いただけるようになります。

 今回共通化する仕様の主な項目は次の通りです。

  • 容量
  • 電圧範囲
  • コントロール端子名
  • 真理値表(*2)
  • パーシャルリフレッシュ(*3)(容量、対応アドレス配置)
  • ページ機能(ページ長(*4)・対応アドレス)
  • モードレジスタ(*5)初期値
  • モード・レジスタ設定方法
  • パワーオンシーケンス(*6)
  • ピン配置
  • パッケージ

 3社は、フラッシュメモリとSRAMを混載するスタック型MCP仕様の共通化に取り組み、1998年9月に仕様共通化を完了しております。今回の次世代擬似SRAMの共通仕様スぺックをもとに、次世代擬似SRAM搭載のスタック型MCPについても仕様の共通化を図り、お客様の基板設計の効率化と製品の安定供給を図ってまいります。

用語説明

(*1) 擬似SRAM:
大容量化とビットコスト低減を実現するために、DRAMのセルアレイを用いております。お客様が容易にシステム設計できるように、外部インタフェースは、非同期型SRAMと互換性をもたせております。高機能化に伴いワークメモリの大容量化が急速に進んでいる携帯電話に最適なメモリです。
(*2) 真理値表:
デバイスの動作モードとそれを設定する外部コントロール信号の組合わせを規定した表です。
(*3) パーシャルリフレッシュ:
スタンバイモード時のデバイスの消費電流を抑えるため、全ビットをリフレッシュせずに、一部のビットのみをリフレッシュする機能または動作モードです。リフレッシュされたビット領域はデータ保持されますがリフレッシュ電流が消費されます。一方リフレッシュされないビット領域はデータは保持されませんがリフレッシュ電流が消費されない分消費電流を抑えることができます。
(*4) ページ長:
デバイスのアクセス性能を上げるためのページ・モードでは、初期アクセス・アドレス設定後、決められた特定アドレス端子をトグル (toggle)することにより、初期設定アドレスから連続する数ワードのデータの高速読み出しが可能で、このワード数のことをさします。
(*5) モード・レジスタ:
制御コードを保持する内部レジスタで、外部からデバイスの動作モード設定を行います。
(*6) パワーオン・シーケンス:
デバイスに電源電圧を印加後、コントロール端子に与える一連の信号電圧のコンビネーションです。これによりデバイスの内部状態を初期化します。


  • 文中に記載の会社名および商品名は各社の登録商標です。


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