Bluetooth用ベースバンドLSIの新製品発売について

2002年4月15日

セット側のBluetooth用ソフトウェアを組み込むことで
開発費、開発時間の短縮を可能に

Bluetooth用ベースバンドLSIの新製品「TC356510」

 当社は、Bluetooth Ver,1.1規格に準拠したベースバンドLSIの新製品として、従来セット側に搭載されていたBluetooth用ソフトウェアを組み込んで提供することによりセットメーカの開発費の削減、開発時間の短縮を可能にした「TC356510」を発売します。新製品のサンプル出荷を5月から開始し、量産は8月から月産5万個、2003年度には月産50万個規模で行います。

 新製品は、内蔵RAMの拡張などによりBluetoothに必要なBluetoothソフトウェア、すなわち、通信制御を行なうプロトコルスタックとアプリケーションごとに必要なプロファイルを組み込むことで、従来セットメーカが負担していたBluetooth用ソフトウェアの開発費、開発時間を大幅に削減でき、容易にBluetooth機能をセットに採用することが可能となります。また、従来セット側のMCUにて実現していたBluetoothプロトコルスタックおよびプロファイルを組み込み提供することで、セット側のMCUの負担も軽減することができます。

 当社は、世界最大の携帯電話メーカ、ノキア(本社:フィンランド)とBluetoothベースバンド技術の分野にて提携しており、新製品には同社のBluetoothベースバンドコア技術を導入しています。信頼性の高いノキアのコアを採用することで、通信において重要な相互接続性を確保しています。また、RF部とベースバンド部を一つにした、シングルチップも開発中で、携帯電話、PCなどのデジタル機器への装備を容易に行なえる環境を整備していきます。

 なお、新製品は、今月17日から19日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「Bluetooth Expo 2002」で紹介します。

新製品の概要

新製品の概要

開発の背景とねらい

 近年、モバイル用途における画像、音声などのデータ通信のニーズが高まり、PC、デジタルカメラ、携帯電話などのデジタル機器へのBluetoothの搭載が増加しています。しかし、Bluetoothの実現に必要なソフトウェア開発、接続性の確認、認証作業は費用も時間も掛かるために、Bluetooth対応機器の開発をねらうセットメーカ側は大きな負担を負っていました。

 当社は、こうしたニーズに対応し、Bluetoothに必要なプロトコルスタックおよびプロファイルをベースバンドLSIに組み込むことにより、セットメーカの設計開発の負担を大幅に削減し、アプリケ-ションさえ作成すれば容易にBluetoothを実現できるようにしました。また、相互互換性のあるLSIを大量に供給することが求められるため、ノキアからのライセンス供与による相互接続性と、大量なチップを安定的に供給できる量産技術を背景に拡販していきます。

新製品の主な特長

  1. 内蔵RAMの拡張などにより、Bluetoothを構成する上で必要なソフトウェアである通信制御用プロトコルスタック及びアプリケ-ションごとに必要なプロファイルを、内蔵のMCUで駆動させることが可能になりました。このため、アプリケーション側のMCUでBluetoothのソフトウェアを実現する必要がなくなり、Bluetoothシステムとのインターフェースを作るだけで、容易にBluetoothをアプリケーションに搭載することができます。

  2. Bluetoothプロトコルスタック及び一部のプロファイルを組み込んで提供することにより、セット側での開発・評価・相互接続性の確認が不要となります。このため、アプリケーションの開発費や開発時間を大幅に削減することができます。

  3. デ-タ受信時25mA(最大)、かつパワーマネージメント機能を搭載することによりアイドルモード時20μA(標準)を実現し、トータルシステムの低消費電力化を図っています。

新製品の主な仕様

新製品の主な仕様

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システムLSI統括第二部
TEL 03(3457)3413


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