世界初の曲面表示が可能な大画面低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイの開発について

2002年5月21日

大画面8.4型・高精細SVGAで薄型・軽量の
「曲がる」カラーディスプレイ

「曲がる」液晶ディスプレイ
「曲がる」液晶ディスプレイ

 当社は、世界で初めて、薄型で曲面表示が可能な大画面TFT液晶ディスプレイの開発に成功しました。本開発品は、ノートパソコンにも使用可能な8.4型SVGAの大画面・高精細で、「曲がる」低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイです。

 低温ポリシリコンTFTは、ガラス基板上にアクティブマトリクスとともに周辺の駆動回路も集積することができるため、高品位な画質を少ない部品点数で実現できます。従来、薄型・軽量化のためフレキシブルなプラスチック基板上にトランジスタを形成する技術の開発が試みられてきましたが、プラスチックが耐えられる温度では十分な性能のTFTを形成することができませんでした。今回、通常のプロセス温度で低温ポリシリコンTFTを形成したガラス基板を極限まで薄くし、フレキシブル基板と貼り合せる技術を開発することにより、高い特性を有し、かつ、曲げられるTFTアレイの実現に成功しました。

 本技術の採用により、現在の液晶ディスプレイに比べ厚さと重さを約1/4~1/5に削減し、曲面表示を可能にしたフレキシブルディスプレイを実現できます。これにより、携帯電話やパソコンなどのデザインに曲面を取り入れることが可能になるとともに、電車や建物の彎曲した壁面へも搭載できます。また、薄型・軽量のため、携帯電話やPDAなどのモバイル機器などにも最適なディスプレイです。

 今後製品化が期待される有機ELやシステム・オン・グラスにも適用可能であり、さらに多くの応用が広がると期待できます。本開発は当社の研究開発センター(神奈川県川崎市)で行っており、今後、製品化や量産化するための技術開発を行っていきます。製品化は、2004年度以降に東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社で行う予定です。

 なお、本ディスプレイは、5月21日から23日まで米国・ボストンで開催されるディスプレイの国際学会「SID 2002」(Society for Information Display 2002)に併設される展示会にて展示します。


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