Bluetooth(TM)を利用した携帯端末の自動接続技術の開発について

2003年2月24日

 当社は、BluetoothTMを搭載した2つの機器を10cm程度の距離に約1秒間近づけるだけで、特別な接続作業を行なうことなく端末間の接続を確立し、その後は両端末間を離しても端末間のデータのやり取りを継続することができる「BluetoothTM 自動接続技術」を新たに開発しました。
 本技術は、携帯電話などの携帯端末とPOS端末や自動販売機を接続して代金の決済をしたり、改札機との間でチケット認証を行うといった「モバイルコマース」への応用が可能です。当社は、今後、このBluetoothTMを利用した自動接続技術の普及を図っていきます。

 現在、赤外線通信(IrDA)や非接触ICカードを用いた同様のサービスが開発、一部のサービスに利用され始めています。これらの通信手段は、通信エリアを限定することで通信相手を特定していることから、通信中は機器の位置や姿勢を固定する必要があるなどの制約があります。これに対して、今回開発した「BluetoothTM 自動接続技術」は、広い通信エリア(端末間距離、見通し10m)というBluetoothTMの特長を残したまま、接続時だけ端末を10cm程度に近接させる方法であり、BluetoothTMの通信速度(723.2kbps)を活かして、代金決済だけでなく、割引ポイントやレシートのデータといった複数のサービス提供や、広告などの情報配信サービスにも応用が可能です。

 BluetoothTM は、PCやデジタルカメラ、携帯電話などのデジタル機器を無線で接続し、画像や音声などのデータ通信をサポートする世界標準の近距離無線規格で、低価格、小型、低消費電力といった特長を持ち、さまざまな機器に容易に搭載することができます。当社は、BluetoothTM 規格の国内唯一のプロモーター企業であり、BluetoothTM の標準化団体(SIG: Special Interest Group)に参加し、BluetoothTM のグローバルな普及に向けて、積極的な活動を展開しています。
 BluetoothTMは、欧州を中心に携帯電話への搭載が進んでおり、当社は、BluetoothTMを単なるケーブル置換にとどめず、携帯機器を利用したモバイルコマースを実現する新しいソリューションとして捉えて、技術の開発を進めてきました。

 新技術の主な特長と、新技術で実現できる「モバイルコマース」の例は、以下の通りです。

1. BluetoothTMを搭載した2つの機器間の接続を約1秒で確立可能
BluetoothTMは本来、10m程度の範囲にある複数台の端末を接続するのに適した無線規格であり、モバイルコマースへの応用に際しては、(1)素早く、(2)近接した2台の端末を1対1で接続することが課題となっていました。
今回開発した技術では、一方の端末に、広域(通信距離:見通し10m)の通信機能モジュールと、狭域(通信距離:約10cm)の通信機能モジュールを搭載し、狭域の通信機能モジュールの通信範囲内に入った端末を高速に発見して接続し、接続を広域の通信機能モジュールに切り換えることで、接続した端末以外とは通信を行なわない方法としています。
   
2. セキュリティ性能の高さと使いやすさ
狭域の通信機能モジュールで接続をした時に認証情報を確認してから、広域の通信機能モジュールへ切り換える方法を採用しています。一度端末を10cm以下に近接させないと、その後の通信を実行しませんので、セキュリティ性能に優れています。
また、広域の通信機能モジュールに移行すると、端末同士を離しても接続を保持しますので、赤外線や非接触ICカードを使った通信のように、通信終了まで一定の位置に端末を固定しておく必要はありません。
   
3. 携帯端末側は特別なハードウェア実装が不要
今回の技術では、片方の端末にだけ特別な実装を必要とするものであり、他方(通常は携帯端末側)の端末は、ソフトウェアの変更以外、特別なハードウェアなどを必要としません。従って、携帯電話など一般的に利用されるBluetooth携帯端末を利用したサービスの構築が容易となっています。
   
4. 携帯電話とレジのPOS端末間の代金決済、割引クーポン券、ポイントサービス、電子レシートのデータの授受。
携帯電話とレジのPOS端末を接続して、代金の決済を行なうことが可能なほか、割引クーポン、ポイントなどのサービス、レシートのデータなどをBluetoothTMを介して受け渡しすることができます。ネットワーク家電にレシートのデータを移して食材管理をするといったアプリケーションにも応用が可能になります。
   
5. 携帯電話を利用した自動販売機での物品購入
携帯電話に予め蓄積された電子マネー(プリペイドマネー)を、自動販売機へ送信し、自動販売機側でそのバリューを認証し、物品の購入をすることができます。その際に、購入商品や場所に依存した広告などの情報を自動販売機から提供することも可能になります。
   
6. 携帯機器に対する電子チケットの発券や、決済、入場管理。
携帯電話とレジのPOS端末を接続して、コンサートや映画の電子チケットの売買・決済を行なうことが可能なほか、購入した電子チケットのデータを保存した携帯電話を会場や映画館の入り口で入場管理端末にかざすだけで、チケットの確認を済ませることができます。
   
7. 携帯機器に定期券や、プリペイドカードの機能を付加して改札を切符なしで通る。
携帯電話と改札機を接続して、切符レスで改札を行なうことができます。

参考:近距離通信手段の比較

参考:近距離通信手段の比較

「BluetoothTM自動接続技術」のイメージ図

「Bluetooth(TM)自動接続技術」のイメージ図

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