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ノートパソコン用小型メタノール燃料電池の開発について

2003年3月5日

ノートPC用  小型メタノール燃料電池
ノートPC用  小型メタノール燃料電池
 
ノートPC用  小型メタノール燃料電池

 当社はノートパソコンを駆動する「ダイレクトメタノール型」燃料電池(DMFC)の開発に成功しました。リチウムイオン電池(LIB)を代替して、ノートパソコンに直結するタイプは世界で初めてとなります。
 開発品は平均 12W、最大 20Wの出力が可能です。高濃度のメタノールを使用すれば、約5時間の発電が可能になります。また、燃料カートリッジを交換することで、連続して電源供給が可能となるため、従来のリチウムイオン電池のような充電時間が不要となります。
 今後は2004年中の製品化を目指し、開発を継続します。

 現在、情報化社会の進展にともない、ノートパソコン、携帯電話、PDAなどのモバイル機器が急速に普及していますが、特にパソコンに関しては、CPUの高速化や映像の高画質化、ワイヤレス接続といった、高性能化の進展に伴ない、消費電力量がますます増加しています。このため、現在のリチウム電池を超える電力供給が可能な新たな電源の開発とその小型化が求められています。
 
 今回、当社が開発した燃料電池の技術的なポイントは以下の通りです。
(1) 高濃度メタノールを使用しても高効率で発電できる「希釈循環システム」の開発により、燃料カートリッジの体積を10分の1以下に小型化。
(2) 液送ポンプ、セル、スタックの新規開発とトータルの最適設計による小型化。
(3) パソコンの使用状況に合わせたモード切替運転による高効率、長時間運転の実現。

 本開発成果は、2003年3月12日〜19日にドイツのハノーバーの国際見本市会場で開催され情報通信技術に関する展示会「CeBIT2003」にて出展する予定です。
*1: セル(電解質をはさんだ電極で構成された単電池)
*2: スタック(単電池が集まって構成された電池)

(参考)ダイレクトメタノール型燃料電池について

 ダイレクトメタノール型燃料電池はメタノールを直接電池に供給し、化学反応により、発電する方式です。
 家庭用や業務用の分散電源として期待されている、固体高分子型燃料電池(PEFC)では改質器でメタンやメタノールから水素を取り出し、燃料として利用しています。ダイレクトメタノール型燃料電池ではこの改質器が不要となり、直接燃料を供給できるため、小型化することが可能となります。

今回開発した燃料電池の主な特長

1. 燃料供給システム(希釈循環システムについて)
従来の燃料電池は、性能が出しやすい3〜6%程度に燃料の濃度を設定しているため、エネルギー密度の関係から燃料タンクが大きくなり、燃料電池全体として小型化することが困難です。一方、高濃度メタノールを採用した場合には発電効率が悪く、十分な性能が得られませんが、このシステムの開発により、高濃度メタノールを燃料として採用しても、発電部に供給する段階では最適な濃度に自動調整することが可能となります。高濃度燃料は体積エネルギー密度が高いため、燃料体積を減らすことができ、例えば3〜6%の濃度の場合よりも、燃料タンクを10分の1以下の体積に小型化することができます。
(発電時に反応生成される水を利用し、最適な濃度に自動調整するシステムとなっています。)
   
2. 発電反応制御システム(最適設計)
燃料電池システム全体としての小型化を図るため、メタノールの濃度や供給量、空気供給量、発電温度などの運転条件を最適化し、さらにその条件に制御可能な送液ポンプなど小型補器システムを開発しました。また、新素材の開発によるセル*1の小型化とスタック*2の薄型化も実現しました。
*1: セル(電解質をはさんだ電極で構成された単電池)
*2: スタック(単電池が集まって構成された電池)
   
3. PCとの接続(インターフェース)
PCの使用状況の信号がPC本体から燃料電池に送信され、使用状況にあわせて、自動的に発電モードを選択することにより、効率的な発電を可能とし、無駄な発電をすることなく、長時間の電池使用が可能となります。
また、リチウムイオン電池と接続部を共通化しているため、燃料電池を外し、リチウムイオン電池を使うことも可能です。*3起動時のようなPCの急激な負荷変動に対応するために、燃料電池で発電された電力を貯めておく蓄電システムが搭載されており、急激な負荷変動に対してもPCの使用環境を損なうことなく電力供給が可能です。
*3: 今回、PC側も燃料電池への信号インターフェースや接続部にあわせるため、一部改良しております。
   
4. 補器開発(小型ポンプ、各種センサー等)
消費電力をおさえ、送液ポンプ、送気ポンプにより燃料電池の小型化を実現しました。
さらに、濃度センサー、残量センサー等についても新規に開発しています。
また、ポンプ等の補器の制御用に超小型のコンバーターが組みこまれており、燃料電池の運転モードに即した補器の制御をマイコンにより実現しています。

開発品の主な仕様

開発品の主な仕様

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