Web高速化ソフトウェア「FlyingServ Webキャッシュ」の発売について

2003年4月17日

ネットワーク回線への投資を抑えながら
Webシステムの応答性能を飛躍的に改善可能

 当社は、64kbps~128kbps程度の低速なネットワーク環境に構築されたWebシステムを対象に、当社独自の「差分管理機能」を備えた強力なキャッシュ機能により、回線そのものへの高速化投資を行なわなくても、システムの応答性能を飛躍的に改善することができるWeb高速化ソフトウェア「FlyingServ Webキャッシュ」を商品化し、5月9日から販売を開始します。

 新製品は、受発注業務、見積もり業務に見られるような画面の一部が毎回変化する動的コンテンツに対応する強力なキャッシュ機能を搭載しています。従来のキャッシュ機能が、Webコンテンツが更新されていない場合にのみ表示を高速化しているのに対し、新製品では「差分管理機能」が、Webコンテンツの変化(差分情報)を木目細かく管理し、コンテンツの中で変化のある部分のデータだけを転送して、キャッシュしているコンテンツと組み合わせてWebコンテンツを表示することで、変化のない静的コンテンツだけでなく、動的コンテンツの表示を高速化することが可能です。

 これにより、例えば通信コストを抑えるために本社と営業所間を低速な専用ネットワークで結んだWebベースの業務システムにおいても、トラフィックを大幅に削減し、Webシステムの応答性能を上げることが可能となるため、回線そのものの高速化への新たな投資を行うことなく、ランニングコストを抑えたまま、Webシステムの性能向上を図ることが可能です。

商品化の背景と狙い

 イントラネット、インターネットの急速な普及にともない、業務システムのWeb化が進むとともに、操作性や作業効率の向上を目指してWebコンテンツが複雑化し、Webコンテンツの容量は増大する傾向にあります。業務システムでは、コンテンツは要求に応じてサーバ側で動的に生成されることが多く、通常のキャッシュ機能が有効に働かず、システムの応答性能が劣化するという問題が生じています。
 当社は今回、このような問題を解決すべく、動的なコンテンツでもキャッシュを有効に機能させ、応答性能を飛躍的に改善することができる「FlyingServ Webキャッシュ」を商品化します。

新商品の主な概要

新商品の主な概要
*1: クライアントモジュールは2003年8月より提供予定

新製品の主な特長

1.

当社独自の「差分管理機能」による強力なキャッシュ機能で動的コンテンツに対応
Webコンテンツデータのハッシュ値を利用した差分管理機能(特許出願中)により、動的コンテンツを効率よくキャッシュすることが可能です。特にWebコンテンツの一部だけが変更されるような定型業務に対しては、転送データ量を大幅に削減できる効果があります。
従来のキャッシュ機能では、サーバ側で動的に変化するWebコンテンツには対応できないため、クライアントからの要求のたびにWebコンテンツがクライアント側にそのまま転送され、毎回大量のデータをやり取りすることとなり、処理に時間がかかるだけでなく、ネットワークのトラフィックの渋滞に繋がっていました。
新製品を導入することにより、初回はWebコンテンツがクライアント側へそのまま転送されますが、Webコンテンツとそのハッシュ値を関連づけてキャッシュすることにより、次回からは、似ているWebコンテンツのハッシュ値とその差分情報のみを転送することで、クライアント側でWebコンテンツを復元できるため、転送データ量を大幅に削減することができます。
(仕組みについてはさらに補足資料を参照ください)

ハッシュ値とは、ハッシュ関数と呼ばれる関数により、任意の文字列から生成される一定長のデータで、改ざんの検出などに用いられているものです。本製品では、Webコンテンツを識別するためにハッシュ値を利用しています。
   
2. 静的コンテンツから動的コンテンツまで幅広く対応
動的コンテンツに対応する当社独自の差分管理機能のほかに、静的コンテンツに対応する通常のキャッシュ機能、クライアントに流れるデータを圧縮して送る圧縮機能をサポートします。これにより、静的コンテンツから動的コンテンツまで幅広く対応し、ネットワークを流れるデータを削減します。
   
3. 新たなネットワーク回線投資が不要な高コストパフォーマンス
Webコンテンツの一部だけが変更されるような定型業務に対しては、データを大幅に削減することが可能になるため、低速なネットワーク環境で稼働するWebシステムにおいても大きなコストのかかる回線投資をすることなく、少ない投資でWebシステムの応答速度を上げることができます。
   
4. 既存のWebシステム環境への容易な導入
Webサーバ側アプリケーションの変更は必要ないため、既存のWebシステム環境に容易に導入できます。
   
5. ITプラットフォーム診断・評価サービスを提供
検証支援サービスなどのサポートサービスも提供しますので、効果的な導入が可能です。また東芝の「ITプラットフォームサービス」においても、本製品はWebシステム性能向上の解決策の一つとして位置付けられており、東芝はお客様に最適なソリューションを実現するための様々なサービスを提供しています。

お問い合わせ先

お客様からの新製品に関する
お問い合わせ先
プラットフォーム
ソリューション事業部
TEL 03(3457)2725

新商品情報は「FlyingServ」のホームページ(http://nbp.toshiba.co.jp)でも提供します


補足資料


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