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東芝欧州研究所における量子暗号手法開発について

2003年6月9日

世界で初めて100キロ以上の距離での通信に成功

<6月5日ロンドンにて発表した案件の訳文です。(英文 プレスリリース)>

英国研究者、ハッカーに盗聴不可能な通信を実現する競争で先行

  • 「破れない」量子暗号手法を、世界で初めて商用上で実用的な通信距離で実証した。
  • 東芝欧州研究所のケンブリッジ研究所で行われてきた研究開発の更なる発展に英国貿易産業省(DTI)資金が提供された

     東芝欧州研究所 (英ケンブリッジ)の研究者は、傍受が不可能な唯一の通信手法といわれる量子暗号通信システムでの通信距離記録を破った。

     東芝の研究チームは、世界で初めて光ファイバー上で100km以上の距離での量子暗号通信に成功して、幅広い商用的な実用の可能性を実証した。この結果は今週米ボルティモアで開催される大規模なレーザー及び電気光学に関する技術カンフェレンスCLEOで発表される。

     今後、英国貿易産業省(DTI)によってシステムの開発資金の一部が提供される。開発プロジェクトは、ケンブリッジ大とインペリアルカレッジ(ロンドン大)との共同で進められ、全てのハッキング手法に対して安全な量子暗号手法システムを実現することを目標にしている。

     量子暗号手法は、ITと通信技術を使用し、機密性が高い情報の送受信及び保管を行うあらゆる組織において利用が見込まれている。銀行と小売業者間の利用だけでなく、政府の地方と中央の行政機関の間にも活用の領域は広がると考えられる。

     システム開発グループ長のアンドリュー・シールズ博士は、「私たちが知っている限り、100kmより長い光ファイバー上での量子暗号手法の実証はこれが初めてです。3年以内には商用領域を想定した広い範囲にこの技術を展開しうることが示された。」と述べている。

     「英国で毎日200件以上の企業がハッカーの的になっている中(注1)、量子暗号通信の実用化は、電子通信のための完全なセキュリティを保証する大なる武器になるでしょう。」とシールズ博士は言い足す。

     暗号手法は、機密性、ユーザーの識別、および決裁の検証などで企業間の通信や電子商取引に必須である。量子暗号手法への関心の多くは、それが基本的に安全であるところにある。これは、現在の暗号システムが、数学的な計算困難性を前提条件として成立していることとは対照的である。量子暗号通信が目指すところは、いかなる前提条件にも依存しない究極の安全性を与えることである。

     量子暗号手法を用いることで、光ファイバーのネットワーク上で2人のユーザーが機密性が保証される共有キーを持つことができる。これは、光の粒状の性質を利用する。量子暗号手法では、送信された各ビットが、単一の光子でコード化される。エンコードされた光子のストリームを正確にコピーすることは不可能であり、ハッカーは、介入を検知されずにキーを解読することができない。

     今まで、この技術の適用範囲上の主な制限は、これらの光子がファイバーから散乱で容易に失われることだった。理論上、これはもう一つの端に達する光子のごく一部分だけがキーの成形に使用されるため致命的ではないが、実際、長いファイバーでは残存する光子の割合が非常に低くなりうるので、光子検出器中の雑音から見分けできなくなる。極低ノイズ検出器の開発によって、東芝のチームは、以前より遥かに長いファイバー上で機能するシステムを実証することができた。

     東芝欧州研究所のケンブリッジ研究所のマイケル・ペッパー所長は、「半導体技術の進歩は、以前、単に理論であると思った量子効果の実用を可能にします。これは、情報処理と伝達の分野での変革に繋がるプロセスのはじまりを予見させます」とコメントした。

    注1)

    ガートナー・グループ、2002年7月


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