新世代インターネットによるシルバーネットソサエティの実証実験開始について

2003年6月13日

山梨市
株式会社 東芝

 株式会社東芝(本社:東京都港区、社長:岡村正)は、ネットワーク家電の技術を生かし、高齢者が簡単に利用できる地域情報インフラの実証実験を、山梨市で11月から開始します。

 本実験は、今年度、通信・放送機構(TAO)が行う、次世代インターネット規格であるIPv6に対応した研究開発事業に認定され、山梨市と山梨大学の協力により、市民参加型の取組みとして実施します。このような高齢者向け情報インフラの産官学共同実験は全国で初めての取組みとなります。

 計画では、まず7月までに60歳から80歳の高齢者を含む27世帯を募集し、キーボード操作に不慣れな高齢者でも簡単にインターネットを利用できるタッチパネル式の専用端末を配付します。
 参加者には、自作の俳句をホームページに掲載して仲間から意見をもらうなど、日常生活に根ざしたインターネットの利用を呼びかけます。将来的には、病院の空き状況に合わせて通院するなどの利用方法も想定しています。

 実験により、東芝が次世代インターネットを用いて展開するサービス事業の基礎データを収集するとともに、山梨市が推進する、高齢者が日常的にインターネットを利用するシルバーネットソサエティの構築に寄与します。

実験の目的

  • 高齢化社会において、高齢者が容易に利用できる情報機器のインターフェースに関する研究や、インターネットを利用した高齢者の社会参加の促進を図る。
  • 高齢者がインターネットを通じて地域コミュニティに参加できるよう、キーボード操作に不慣れでも簡単に扱えるホーム端末を採用し、シルバーネットソサエティを推進する。
  • 本格的なネットワーク社会に対応し、プライバシーの保護などを強化した次世代インターネット技術であるIPv6を取り入れた高度なシステムの検証を行う。

実証実験の概要

  • 7月までに募集する市内在住の高齢者27人(世帯)と市役所など3機関を実験対象とする。対象者に対し、山梨CATVのケーブル網を利用したIPv6インターネット環境を整備する。
  • 対象者に画面に触れて操作するタッチパネル式ホーム端末を配付し、今年11月からインターネット利用の実験を行う。ホーム端末には、デジタル画像を撮影して送信するためのカメラを取りつけ、顔の見えるコミュニケーションを図る。
  • 実験により、東芝が次世代インターネットを用いて展開するサービス事業の基礎データを収集する。

山梨市が実験に協力する趣旨

  • 本実験は、高齢者でも容易に利用できるインターネット環境を整備し、市が推進するシルバーネットソサエティの推進に寄与するものであり、社会的意義が大きい。
  • 市では現在、「地域イントラネット基盤施設整備事業」や「情報通信システム整備事業」など、地域情報インフラ整備に積極的に取り組んでおり、実験の成果を今後の事業に活用できる。
  • 市内の山梨大学において、高齢者向けインターフェース研究を行っており、研究目的と実験目的が合致する。また、実験に適した山梨CATVのケーブル網などが整っている。
  • 山梨市から時代に先駆けた事業が展開されることは、市の活性化や情報化などの点からも有意義なものである。

IPv6について

 IPv6はInternet Protocol Version 6の略。現在一般に使用されているVersion 4では3桁の数字を4つ組み合わせてIPアドレス(機器を識別する住所のようなもの)を作るのに対し、IPv6では、16個組み合わせるため、家庭内の様々な機器をインターネットでつないでも十分な数のIPアドレスが確保される。また、セキュリティ面など、さまざまな機能が強化されている。


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