東芝がザイリンクスから最先端LSIの製造を受託

2004年10月14日

90nmプロセスによる試作に成功、300mmラインで2005年に量産へ

株式会社 東芝
ザイリンクス社

 株式会社東芝(以下、東芝)と米国ファブレス・メーカーでFPGA*1世界最大手のザイリンクス社(以下、ザイリンクス)は10月14日(日本時間)、東芝がザイリンクスの高性能FPGA製品を受託生産することで合意しました。

 また、両社はこのたび、東芝大分工場(大分県大分市)の300mmウェハー対応の新ラインにおいて、最先端90nmプロセスを用いた試作品の動作検証に成功しました。
 東芝は、今後量産ラインの整備を進め、2005年第1四半期からザイリンクスのFPGA製品の量産を開始する予定です。

 今回の動作検証の成功は、90nm製品の製造でともに先行する両社の技術力がもたらしたものと言えます。東芝とザイリンクスはいずれも、業界で90nmプロセスが立ち上がったばかりの2003年に、いち早く90nm製品の出荷を開始しています。

 量産ラインの整備にあたっては、ザイリンクスからの製品の前払い金を、設備投資の一部に充てる計画です。
 両社は、今回の90nmプロセスに関する提携関係を、次世代以降のプロセスに広げていく方針で、既に65nmプロセスの適用に向けた開発に着手しています。

 今回の合意により、ザイリンクスは、最先端プロセスを用いた高性能FPGAの供給を安定的に受けることができ、さらに、IDM*2メーカーの東芝をパートナーとすることで、設計技術と製造技術の融合による最適なサポートを得ることができます。
 一方、東芝は、プロセス技術の先行性を生かして大口顧客を獲得し、最先端システムLSIの分野で業界のリーダシップを確立します。

 東芝は、世界有数のファブレス・メーカーであるザイリンクスとの提携により、システムLSIの事業領域に最先端プロセスによる受託生産を加え、事業の拡大・強化を図ります。
 ザイリンクスは、プロセス技術で常に業界をリードする戦略の一環として、最先端プロセスで実績を持つ東芝をパートナーに選び、長期的な視点で提携を決めたものです。

 ザイリンクスは、ファブレス・ビジネスの先駆者であり、最先端プロセスを先行して取り入れ、2001年には150nm、2002年には130nm、2003年には90nmと、実績を積み重ねてきました。
 さらに、ザイリンクスは、現在の300mmウェハーの購入量において世界最大のメーカーでもあります。
 ザイリンクスは、今後とも最先端の地位を堅持し、ますます拡大するFPGAの需要に対応するため、製造面でマルチ・パートナー戦略を推進していきます。

 今回の両社の提携は、東芝が、デジタル家電などの主要部品として成長が期待される高性能システムLSIの分野を強化する施策の一環でもあります。
 東芝の半導体事業において、大分工場の新ラインは、最先端CMOSプロセス技術の高度なノウハウと微細化で世界の先頭に立つ優位性が発揮された最重要拠点です。
 東芝は、大分工場において、世界に先駆けて2003年春に90nmプロセス製品の量産を開始しており、次世代65nmプロセス製品についても、世界で最も早く量産を開始する計画です。

 FPGA製品は、チップ製造後にプログラムを書き込む方式で、回路自体は規則的な構造に作られているため、個別に専用回路を作りこむ製品より欠陥の原因を見つけやすく、量産初期の段階で製造するには好都合です。こうしたことから、FPGA製品は、新プロセスによる量産を牽引する存在であるとも言えます。

*1 FPGA(Field Programmable Gate Array):
チップ製造後にプログラム可能なロジックLSI。
*2 IDM(Integrated Device Manufacturer):
半導体の設計から製造まで自社で行う垂直統合型メーカー。

ザイリンクスについて

 ザイリンクス社 (NASDAQ:XLNX) は、プログラマブル ロジック ソリューションを提供する世界的なリーダです。1984 年に創立され、米国カリフォルニア州サンノゼが本社所在地となっています。日本においては、1989 年にザイリンクス株式会社を設立し、FPGA および CPLD 製品とその開発支援システムの販売とサポートを積極的に行っています。同社についての詳細な情報は日本語対応ホームページ http://www.xilinx.co.jp で公開されています。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。