大阪大学基礎工学研究科と東芝との研究インターンシップに関する協定の締結について

2005年2月3日

組織対応型産学連携を通じた大学と企業の相互人材育成

国立大学法人 大阪大学
株式会社 東芝

 国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市、総長:宮原秀夫、以下、阪大)の基礎工学研究科と、株式会社東芝(東京都港区、取締役 代表執行役社長:岡村正、以下、東芝)は、基礎工学分野を中心とした研究インターンシップに関する協定(以下、本協定)を本日締結しました。本協定に基づき、2005年度から、基礎工学研究科の大学院生を対象にインターンシップの派遣・受け入れを行います。
 また、本協定の発効にあわせ、東芝の研究者・技術者の基礎工学研究科での教育プログラムの受講や、東芝から阪大への特任教授の派遣を行い、これらの組織対応型産学連携を通じ、大学と企業の相互人材育成を図ります。

 本協定では、東芝が阪大の基礎工学研究科の修士および博士課程の大学院生を長期研究インターンとして研究・開発部門で受け入れます。また、阪大が組織横断的に運営するナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構*1が実施するナノ高度学際教育研究訓練プログラム*2の一つである高度基盤科学技術再教育・実習プログラム*3に東芝の研究者や技術者を派遣して教育を受講しておりますが、これらを連携させ、大学と企業の相互人材育成を目指します。さらに、ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構が阪大の大学院生の教育のために行う全学横断博士後期課程大学院生向けの産学リエゾンPAL教育訓練プログラム*4に東芝からも特任教授を2005年度より派遣する計画であり、研究テーマの設定や院生の教育・指導に参加し、組織対応型産学連携を促進します。

 基礎工学研究科は、本協定により、修士および博士課程の大学院生に企業の研究現場を体験させ、大学内では経験できない実践的で幅広い見識と実社会への適応性を身につけさせる教育研究活動を行います。これにより、専門領域に加えて学際分野の基礎研究開発能力を持つ若手人材の育成と、企業における開発研究、研究統括などの優れた見識を持った博士人材の育成がより一層推進されます。さらに、基礎工学研究科は研究・教育の2つの企画推進室と産学連携室に跨るインターンシップ委員会を立ち上げ、インターンシップにおける教育と研究の有機的な連携を図る体制をとります。

 東芝における従来のインターンシップは、現場体験・実習的な要素が強く、期間も夏休みの2週間程度と短いものでしたが、本協定は、具体的な研究テーマを東芝と阪大基礎工学研究科の間で設定して、修士で1ヶ月から3ヶ月間、博士で3ヶ月間以上の長期にわたり研究を行います。研究テーマは、基礎研究のほか、ソフトウェア、半導体、社会インフラ、情報通信等、東芝が取り組む総合的な事業領域から設定していきます。

 本協定は、阪大と東芝の組織対応型連携の第一段階であり、今後、相互の研究者の交流が進むことにより、共同研究への展開さらには他の企業の参画による複合連携への展開も視野に入れています。

*1 ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構:
阪大の理学、医学系、薬学、工学、基礎工学、生命機能の6大学院研究科と4研究所・センターなどから構成される全学横断機構。ナノサイエンス・ナノテクノロジーに関する学際的研究の推進、産学連携、国際連携、人材育成などの活動を行う。
*2 ナノ高度学際教育研究訓練プログラム:
2004年度より5年間にわたり文部科学省科学技術振興調整費新興分野人材養成プロジェクトとして阪大ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構の人材養成オフィスの下に発足したプログラムで、部局横断大学院学際プログラム(修士・博士課程)と社会人再教育プログラムからなる。
URL: http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/
*3 高度基盤科学技術再教育・実習プログラム:
「ナノ高度学際教育研究訓練プログラム」の一つとして、企業の技術者・研究者を対象としたナノサイエンス・ナノテクノロジー分野の1年間の大学院レベル社会人再教育プログラム。阪大中之島センターにて夜間開講されており、東京地区や京阪奈地区への遠隔授業配信と短期実習プログラムを特徴としている。
*4

産学リエゾンPAL教育訓練プログラム:
「ナノ高度学際教育研究訓練プログラム」の一つとして、プロジェクト指向型のテーマを企業・大学共同で選定し、半年~1年の期間で阪大の大学院生に対し、産学連携して教育・訓練・インターンシップを実施するプログラム。


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