大阪大学ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構と東芝とのドクターコース長期研究インターンシップに関する協定の締結について

2005年4月13日

国立大学法人 大阪大学
株式会社 東芝

 国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市、総長:宮原秀夫、以下、阪大)のナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構*1と、株式会社東芝(東京都港区、取締役 代表執行役社長:岡村正、以下、東芝)は、ナノサイエンス・ナノテクノロジー分野の博士後期課程(ドクターコース)学生を対象とする研究インターンシップに関する協定(以下、本協定)を本日締結しました。全学横断大学院ナノ高度学際教育研究訓練プログラム*2の一環として、本協定に基づき、本年度からドクターコース大学院生を対象に東芝における長期研究インターンシップへの学生の派遣・受け入れを開始します。
 また、本協定発効に合わせて、ナノ高度学際教育研究訓練の社会人再教育プログラム*3への東芝の研究者・技術者の派遣受講や、東芝から阪大への特任教授の派遣による大学院生指導などの相互交流を強化し、組織対応型産学連携を通じた大学と企業との相互人材育成活動を強化します。

 本協定では、阪大のナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構がドクターコースの大学院生を対象に提供している産学リエゾン・プロジェクト指向学習型(PAL)教育訓練プログラム(副専攻プログラム)*4において、学内教員が東芝から派遣される併任特任教員とともにドクターコースの大学院生を共同指導します。研究テーマの設定から実際の研究活動までを指導しますが、1年間のプログラムの後半において、企業における開発活動への参加としての長期研究インターンを東芝の研究開発部門において行います。実質的な研究活動参加により他に類を見ない産学共同によるドクター人材育成が実現されます。
 また、阪大のナノ高度学際教育研究訓練プログラムの一つである高度基盤科学技術再教育・実習(社会人再教育)プログラムの東京スタジオに東芝の研究者や技術者を昨年度より既に派遣・受講していますが、これらを連携させて大学と企業との組織対応型産学連携による相互人材育成活動を促進します。

 大阪大学ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構は、本協定により、博士後期課程の大学院生に企業的論理の思考訓練を行うとともに、企業の研究開発現場を実体験させ、大学内では経験できない実践的で幅広い見識と実社会への適応性を身につけさせることを目指します。これにより、専門領域に加えて学際分野の基礎研究開発能力を持つ若手人材の育成と、企業における開発研究、研究統括などの優れた見識を持った博士人材の育成が一層推進されます。
 東芝における従来のインターンシップは、現場体験・実習的な要素が強く、期間も夏休みの2週間程度と短いものでしたが、本協定では、具体的な研究テーマを東芝と阪大ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構の間で設定して、ドクターコース学生にまず学内で可能な研究を実施させ、ある程度の実績を上げた後で、企業内での3ヶ月間程度の長期にわたる研究インターンシップ活動を通じて完成を目指し、新しい形の産学連携研究の芽を育てます。ドクターコース学生は本プログラム履修によって、主専攻の専門性以外の実践的な複合学際知識と経験を副専攻として積むことが出来ます。

 本協定は、本年2月に締結された阪大基礎工と東芝の協定に継ぐ組織対応型連携の第二段階であり、今後、相互の研究者の交流が進むことにより、共同研究への展開さらには他の企業の参画による複合連携への展開も視野に入れています。

*1 ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構(機構長:馬越佑吉副学長):
阪大の理学、医学系、薬学、工学、基礎工学、生命機能の6大学院研究科と5研究所・センターなどから構成される全学横断機構。ナノサイエンス・ナノテクノロジーに関する学際的研究の推進、産学連携、国際連携、人材育成などの活動を行う。
*2 ナノ高度学際教育研究訓練プログラム(実施主任者:馬越佑吉機構長):
2004年度より5年間にわたり文部科学省科学技術振興調整費新興分野人材養成プロジェクトとして阪大ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構の人材養成オフィスの下に発足したプログラムで、全学横断型大学院学際プログラム(修士・博士課程)と社会人再教育プログラムからなる。
URL: http://www.sigma.es.osaka-u.ac.jp/pub/nano/
*3 高度基盤科学技術再教育・実習プログラム:
「ナノ高度学際教育研究訓練プログラム」の一つとして、企業の技術者・研究者を対象としたナノサイエンス・ナノテクノロジー分野の1年間の大学院レベル社会人再教育プログラム。阪大中之島センターにて週5回夜間開講されており、東京地区や京阪奈地区への遠隔授業配信と学内での短期実習プログラムを特徴としている。
*4 産学リエゾンPAL教育訓練プログラム:
「ナノ高度学際教育研究訓練プログラム」の一つとして、プロジェクト指向学習型のテーマを企業・大学共同で選定し、平均週1回、1年の期間で阪大の大学院生に対して、産学が連携して教育・訓練・研究インターンシップを実施するプログラム。平成17年度は二企業が参加する。

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