ザイリンクスと東芝が65nm FPGAの共同開発に合意、受託生産も検討 2005年12月6日
プログラマブル・ロジック・ソリューションのリーディング・サプライヤである米国ザイリンクス社と、半導体デバイス製造における世界的リーダ企業である株式会社東芝は本日、次世代65nmプロセスによるFPGAを共同開発することに合意し、契約を締結したことを発表した。今回の契約は、65nmのプログラマブル・ロジック回路を含むプロトタイプ・ウェハの試作に成功したことを踏まえて締結したもので、両社のファンドリ契約(ザイリンクス製品の東芝での受託生産)についても65nmまで拡大することを検討している。 東芝は、65nmプロセス技術による量産に対応できる世界でも数少ないメーカであり、さらに45nmプロセス技術の開発でも先行している。東芝とザイリンクスは、今後、東芝の45nmプロセス技術をベースにしたFPGAの共同開発の可能性について検討していく。 両社は、2004年10月に契約した90nm FPGAの受託生産を順調に進めていることから、65nm 製品においても共同開発を継続するという決定に至った。ザイリンクスの主力製品である90nmの「Virtex-4」プラットフォームFPGAは、東芝大分工場(大分市)の最先端300mmウェハ対応の製造ラインで量産されている。 ザイリンクス社社長、CEO兼会長 ウィム・ロレンツ(Wim Roelandts)は「最先端半導体プロセス技術における世界的リーダとしての東芝の名声と高品質な製造技術は素晴らしいものがあります。これまでのザイリンクスと東芝の90nm FPGA製造の実績は、お客様と弊社の両方を十分に満足させるものでした。最近のプロセス技術の革新は、より新しくより緊密な共同開発と斬新なテクニカル・アプローチを要求しているため、さまざまな要求条件に対応できる東芝のようなパートナと提携できることはザイリンクスにとって喜ばしいことです。ザイリンクスは、東芝がデジタル民生機器市場に向けた65nmテクノロジにおける業界のリーダであり、さらに45nm以降のプロセス技術の研究開発においても業界をリードしているので、自信をもって65nm領域に前進できるのです」と述べている。 東芝 セミコンダクター社 社長 室町正志氏は「ザイリンクスは一貫して最先端テクノロジを採用しながら競争力に優れた製品を投入することにより長い期間にわたってFPGA業界のリーダシップを維持しています。このザイリンクスの戦略は東芝の戦略と完全に整合するものです。我々は最先端のプロセス技術を開発するとともに、最新の300mmウェハ対応の製造ラインにおいて、世界最高レベルの歩留まりでの量産を実現しています。両社の戦略的提携関係により我々のテクノロジ・リーダシップはさらに確固たるものとなると同時に、革新的ソリューションをより早く顧客に提供できるようになるでしょう」と語っている。 ザイリンクスは、東芝との戦略的ファンドリ契約により、業界で最先端のプロセス技術で製造される最先端FPGA製品の安定供給のルートをもう1つ確保できるだけでなく、最先端プロセスで要求される高レベルな設計およびプロセス技術における東芝の卓越した知見を利用できるというメリットがある。一方、東芝はファブレス半導体メーカの世界的リーダ企業であるザイリンクスから最先端製品の量産を受注することで、システムLSIビジネスにおける東芝のリーダシップのさらなる強化を図ることができる。 過去20年間にわたってファブレス半導体ビジネスのパイオニアの役割を果たして来たザイリンクスは、最先端製造プロセスの開発競争でも最前線に立ち続けており、2001年に150nm、2002年に130nm、2003年に90nmでそれぞれ先頭を切って実用化するという目覚しい成果を残して来た。またザイリンクスは300mmウェハの購入量でも世界最大規模を維持し続けている。 ザイリンクスのFPGAは、その規則的な配列構造と再プログラム可能性という特徴により、最新の製造プロセス技術の検証および試験に理想的なデバイスとなっている。FPGAは機能が固定された半導体デバイスアーキテクチャに比べて、製造中の欠陥をより簡単に特定し分離することが可能であり、東芝のような量産メーカにとって理想的なプロセス・ドライバである。
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