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原子力・火力発電プラント向け流量計の試験データ変更に関する再発防止策について

2006年5月18日

 当社は、4月20日に原子力安全・保安院から報告を求められました原子炉流量計の不適切なデータ補正に関する再発防止について、中長期的対策と短期的対策を連携させながら定期的な制度・仕組みのチェックも実施する諸施策をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に報告いたしました。

 火力発電プラント向け流量計の試験データについての結果は、既に公表した7プラント以外にデータを不適切に変更していると断定できる物的確証の得られたものはありませんでした。
 なお、今回の調査では2プラントで不適切なデータ変更に関する情報が得られましたが、変更していると断定できる物的確証は得られませんでした。さらに、アンケート等からは不適切な変更が確認されなかった案件においても、運転開始後20年以上経過したプラントも多数存在することから、物的確証を探しきれなかった案件もありましたが、これらについても、今後、個々に誠意を持って対応してまいります。
 本調査結果に基づいて、関係者の社内処分を本日付で実施しました。

 当社は、今回の事態を惹き起こしましたことをあらためて深くお詫び申し上げますとともに、二度と同様の事態を起こさぬよう、徹底した再発防止策を講じて信頼回復に努めてまいります。

1. 原子力および火力発電プラント向け流量計の試験データ変更に関する再発防止策
 当社では、4月11日に再発防止策を含めた原子力発電プラント向け流量計の実流量試験に関する調査結果を公表しました。
 再発防止対策を真に有効なものとし、改革活動を徹底していくためには、対策が確実に実施され、浸透するよう風土改革を行う必要があると考え、こうした風土改革は、経営品質確保の根幹をなす重要経営課題であるとの認識のもと、CSR再構築の諸施策を加え、着実に取り組むことといたします。

1−1. CSR活動の再構築
 職場風土の改革、従業員の意識改革、内部統制・コンプライアンスの徹底について、具体的実施内容を早急に取り纏め、順次実施します。また、実施内容を定期的にチェックしながら、内容を改善・追加し、中長期的視点で継続的に進めていきます。
(1) CSR活動、コンプライアンス徹底の活動内容の分析と改善
 現在展開しているコンプライアンス徹底のための活動、CSRの活動に関し、内容を改善することにより、全従業員が共感し遵守できるコンプライアンスの仕組みを再構築すべく、従業員のコンプライアンス意識の現状、施策を改めて分析・評価し、改善することで、継続的な再発防止の実施につなげていきます。
(2) 内部統制・コンプライアンスの徹底
1) コンプライアンス徹底の宣言と、徹底の仕組みづくり
 コーポレートトップからの全従業員向けメッセージの発信、ならびに電力システム社トップからのカンパニー全従業員向けメッセージの発信を繰り返し行います。
2) 東芝グループ行動基準の改訂
a. 「東芝グループ行動基準」に関し、今回の不適切な行為を教訓として折込み改訂し、技術者倫理の徹底、コンプライアンス意識のさらなる徹底を図ります。
b. 電力システム社内においても、原子力、火力両事業部門における行動基準の見直し又は新設を行います。
3) コンプライアンス教育の実施
 すべての事業活動において、生命・安全、法令遵守を最優先すること、「コンプライアンス」は「利益」に優先するものであるとの明確な指示を、コンプライアンス教育を通じて、再徹底していきます。
a. 社内教育において、今回の問題を事例として取り上げ、コンプライアンス徹底のための職場風土のあり方、リスクに直面した場合の管理者・担当者一体となったマネジメントのあり方を教育項目として折込みます。
b. 電力システム社において、新たなコンプライアンス教育を定期的に全員に実施し、更に関連技術部門の全員に対し今年度上期から集中して実施していきます。
4) 内部通報制度の周知徹底と活用促進
a. 早い段階でのリスク対応のため、当社内部通報制度「リスク相談ホットライン」(運用中)の周知徹底、活用促進を図り、その有効性を高めます。
b. 当社が、取引に関連してコンプライアンス違反をした場合等に取引先関係者から通報してもらい、当社として自浄作用を働かせるため、お取引先様通報制度「クリーン・パートナー・ライン」を開設しました(2006年4月)。
5) 評価制度の見直し 
a. 個人の業績評価制度や自己申告制度において、コンプライアンスに関する評価項目を設けるなど、コンプライアンス意識の向上を図るとともに、積極的に個人の評価に反映させます。
b. 就業規則を見直し、不適切な行為が処分の対象となることを明確にしました。
6) コンプライアンス推進体制の強化
 電力システム社及び傘下事業所にコンプライアンス遵守を推進する組織を設置し、コンプライアンス推進体制を強化しました。
(3) 職場風土の改革
1) 社内外とのコミュニケーションの活性化
 以下の基本方針に則り、具体的実施内容を検討し、実施します。
a. 管理者から担当者に至るまで、組織内の上下関係の壁を設けずに闊達なコミュニケーションを行う文化を醸成します。
b. 業務の依頼元や依頼先に対して自由闊達に業務改善のための意見交換ができる風土を醸成することで、セクショナリズム、前例主義、事なかれ主義を撤廃します。
c. 顧客との双方向コミュニケーションを、「安全」、「コンプライアンス」を共通のキーワードとして、活性化します。
2) 業務プロセスの総点検
 電力システム社において、各管理者が自部門のプロセス総点検に着手し、問題点抽出と分析・改善を進め、ルール遵守の文化を醸成します。
(4) 従業員意識の改革
1) 管理者意識の徹底
 管理者は、部下に権限委譲した場合においても、その業務の状況を的確に把握し、適切な業務指示を行う責務を負うことを改めて意識付け、徹底します。
2) 人事ローテーションの適正実施
 事業部・事業場・部門の枠を越えた計画的な人事ローテーションを行うことで、組織や従業員意識の活性化を図ります。
3) OFF−JTの活用
 最新の準拠規格や知見、技術動向への感度を維持し、人材を育成するため、OFF−JTの活用促進を図ります。
4) 従業員意識調査の実施とフィードバック
 職場風土の状況、コンプライアンス意識の状況を把握するため従業員の意識調査を定期的に行い、結果を従業員にフィードバックすることで従業員意識の継続的な改善を行います。

1−2.品質保証体制の見直し
 電力システム社において、以下の品質保証体制の見直しを進めます。
(1) 原子力QMS(品質マネジメントシステム)の見直し
1) 他事業部・工場に対する品質管理の適用
a. 原子力プラント製品を他事業部・工場で製作する場合の調達管理を行うため、原子力QAマニュアルの見直しを行います。
b. プラントの安全性にかかわる要求事項等を確実に設計に反映するため、原子力事業部の各設計部による設計管理と原子力品質保証部による品質管理を実施します。
c. 原子力事業部が原子力プラント製品を調達する他事業部に対し設計管理、品質管理の関与を高めるために業務所掌の見直しを行い、業務協定書に反映するとともに、関係部門の業務ガイドに改善策を反映し、実行の徹底を図ります。
2) 試験記録のトレーサビリティの確保
 試験記録のトレーサビリティを確保するため原データを含む記録の管理方法を品質記録の管理要領に反映します。
3) 規格・基準の維持管理の改善
 規格・基準の運営要綱を見直し、最新版反映のための体系(システム)の再構築を各事業所へ徹底させます。
4) 原子力品質監査部の設置
 内部監査を充実させ、実態把握と改善推進を図るとともに、各事業部/事業所品質保証部の機能強化を図っていきます。
a. 原子力事業部及び原子力プラントの安全上重要な製品を製作する事業部・事業所の品質保証体制及びその実施状況を計画的に監査するため、原子力事業部に新たに原子力品質監査部を4月1日付で設置しました。
b. 原子力品質監査部は、事業部長直属の独立部門として、定期監査及び特別監査を実施し、原子力プラントの安全上重要な製品について品質管理が確実に実施されていることを監査し、QMSの改善を図ります。
(2) 火力QMS(品質マネジメントシステム)の見直し
 今回の調査における火力の事業部のQMSに関わる問題点を踏まえ、火力事業のQMSの強化を図ります。
1) 火力プラント事業部と火力・水力事業部の品質保証部門では、QMSの維持・管理を中心とした 品質保証業務に加え、製品仕様検討、品質管理計画策定、調達品及びフィールドまでスルーした品質管理を実施する体制に変更しました。
2) プロジェクトマネージャーの判断、権限を基準・ガイドに明確化し、教育により、その内容を周知徹底します。
3) 実流量試験と同様に、現地性能試験への第三者チェックを機能させるため、試験方案を事業部の 品質保証部門がレビューし、試験遂行にあたっては品質保証部門の責任で計測データ採取プロセスの健全性を確保し、試験報告書も品質保証部門が発行する体制に改めました。また、品質記録のトレーサビリティ確保のため、原データの取り扱いを含む記録の管理・保管にかかわる内容を規程・通達類に反映し、確実な運用を図ります。
(3) 不適合発生時における責任と権限の明確化
 当該部門における不適合管理を徹底するため、不適合管理規程に関する集中した教育を実施します。
 また、電力システム社各事業部・事業所は、不適合が発生したときの判断権限は、部門長以上にあることを基準・ガイドに明確化し、当該事例を含めた教育により、その内容を周知徹底します。
 なお、不適合処置については、記録を作成し、品質保証部門に提出されていることを内部監査等で確認します。
(4) デザインレビューの運用の徹底
1) JIS/ASME等の規格に基づく製品においても、新規にこれを適用するものについてはデザ インレビューを行うこと、及び試験方案や標準の策定において、適用すべき規格・基準が正しく引用されるよう、デザインレビュー時に、規格・基準類の変更の有無について確認し、変更があった場合は試験方案や標準に反映することを各事業部・工場のデザインレビュー実施標準に反映し、徹底します。
2) デザインレビューの質的向上を図るために適切な確認者の参加のもと実施を徹底するものとし、 そのために、専門家マップの運用を各事業部・工場のデザインレビュー実施標準に反映し、確認者の選定に活用します。
3) デザインレビューの実施状況については、各事業部・工場の品質保証部門が定期的に実施フォローを行うことを事業部・工場のデザインレビュー実施標準等に反映し、運用の徹底を図ります。
*) 品質要求事項が設計に十分反映されているかを評価し、問題があればそれを明確にし、解決策を提案するための設計に関するレビュー。
(5) 実流量試験方案(標準)及び実流量試験体制の見直し
1) 実流量試験方案は、以下の観点で見直しを行います。
a. 設計部門にて最新の規格・標準類の変更の有無を確認し、妥当な判定基準の設定や特異な原データの取扱いを含めた試験方案の見直しを実施します。
b. より精度の高い試験を行うため、試験方法及び試験条件の改善等について検討を行います。
2) 実流量試験体制としては、試験の透明性を確保するため、品質管理部門が主管して実流量試験を実施し、設計担当部門は技術的な判断要素が必要な部分に関して品質管理部門を支援する体制とします。さらに、試験・検査の透明性確保の要求をマニュアルに規定するとともに、内部監査時に定期的に評価します。

1−3.実施状況のフォローと監査
 再発防止策の実行状況を確認し、確実な実施と実施事項の改善につなげるため実行状況のフォローを行います。
(1) コーポレートの関係スタフ部門をメンバーとする委員会を設け、実施状況をフォローするとともに、トップへの報告を行います。
(2) コーポレートの経営監査部は、今回策定した再発防止策が計画どおり実行され、有効に機能しているかを定期的に監査します。
(3) 従業員意識調査の実施により、職場風土の改革状況を確認し、実施事項の見直しに反映させます。

2. 火力発電プラント向け流量計の調査結果
 原子力発電所向けの給水流量計と復水流量計の実流量試験において不適切なデータ変更が行われていたことを受け、火力発電プラント向け流量計の試験データについても調査を実施しており、4月11日には途中経過として、不適切な変更を行っていたことが判明した7プラントについて、公表しています。
 今回の調査の結果、新たに不適切な変更を行ったことが判明したプラントはありませんでした。なお、今回の調査では2プラントで不適切なデータ変更に関する情報が得られましたが、変更していると断定できる物的確証は得られませんでした。この2プラントは、性能向上を目的とした既設改造案件であり、改造の前後で性能値を比較するため、データ変更があったとしても性能の評価自体には影響しません。更に、アンケート等からは不適切な変更が確認できなかった案件においても、運転開始後20年以上経過したプラントも多数存在することから、物的確証を探しきれなかった案件(139件)もありましたが、これらについても、今後、個々に誠意を持って対応してまいります。
 原子力プラント向け流量計、火力プラント向け流量計に関する不適切な行為は、それぞれ異なるジョブリーダのもとで行われており、それぞれの担当者間で情報のやりとりがなされた事実は確認できませんでした。
 火力発電プラント向け復水流量計については、特に法令上の定めはなく、主にプラント運転開始前や改修時にプラント全体やタービン側の効率を測定するために用いられるもので、安全性にかかわる機器ではないと判断しています。

(1) 調査期間
2006年2月25日〜5月11日
(2) 調査方法
a.実流量試験における図書・電子情報の調査
b.アンケートおよびヒアリング調査
(3) 不適切なデータ変更の判明したプラント
a.国内建設プラント
  北陸電力七尾大田火力発電所2号機
  北陸電力敦賀火力発電所2号機
  四国電力橘湾発電所
  電源開発橘湾火力発電所1号機
  九州電力苓北発電所2号機
b.国内性能向上対策プラント
  中部電力西名古屋火力発電所6号機(廃止プラント)
  中部電力知多火力発電所4号機
(4) 原 因
a. タービン性能試験の評価に際し、タービン性能を満足しない場合には、納期が遅れることは顧客へ多大な迷惑をかけること、改造や再製作には費用がかかること、当社が製作するタービンの評価が下がることなどを考え、データの不適切な変更に対する認識が欠けていたと推測されます。
b. 不適切なデータ変更が行われた動機として、納期を遵守することが、顧客や当社にとって共に望ましいことだという認識が職場にありました。
c. 不適切なデータ変更が行われた対象プラントは、事業部プロジェクトマネージャー制度のもと、事業部業務規定に則してプロジェクト業務が遂行されなければならなかったが、当時、プロジェクトマネージャーのミッションや権限と責任に関し、必ずしも規程に則って適切に行われていませんでした。
d. 国内性能向上プラントについては、実流量試験データが試験方案に記載された精度から外れた際、不適合にする重要性の認識にかけており、また管理者への報告も行われていませんでした。
e. 流量計の実流量試験に関しては、第三者の品質管理部門が行うことが適当であるものの、品質管理部門におけるリソース、専門知識の観点から、設計者が直接試験を行っており、チェック機能が働きませんでした。
(5) 再発防止策
 上述1「原子力および火力発電プラント向け流量計の試験データ変更に関する再発防止策」に記載していますので、ご参照ください。
(6) 関係者の社内処分等
1) 社内処分について
 本件試験データの不適切な変更に関与した従業員ならびに管理監督責任として当時の所属上長であった課長、部長および事業場長、事業部長に対し、「減給」「譴責」の処分を本日付で実施しました。
2) 報酬返上について
 原子力発電プラント向け流量計の不適切なデータ変更に関する報酬返上(基本報酬の20% 3ヶ月間)とあわせて、次のとおり報酬を返上する。
  代表執行役社長   西田 厚聰   基本報酬の30%(3ヶ月)返上
  執行役専務   庭野 征夫   基本報酬の30%(3ヶ月)返上
  執行役上席常務   (社長補佐)
    並木 正夫   基本報酬の30%(3ヶ月)返上
    (社会インフラ事業グループ分担)
  執行役常務   佐々木 則夫   基本報酬の30%(3ヶ月)返上
    (電力システム社社長)
  取締役会長 岡村 正については、代表執行役社長に準じて報酬を自主返上します。


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