ウェスチングハウス社の株式取得について

2006年10月04日

 当社は、本年2月6日に英国原子燃料会社(British Nuclear Fuels.plc:以下、BNFL)と、同社のグループ会社であるBNFL USA Group Inc.およびWestinghouse Electric UK Limited(以下、両社を併せてウェスチングハウス社)の株式の取得に関する契約を締結して以来、本株式取得に必要となる行政審査・認可手続き等を行ってきましたが、契約上必要とされる米国や欧州の独禁法審査などが9月末をもって終了したことを受け、本年10月中に株式取得を完了(クロージング)する予定です。

 合わせて、当社は、株式取得後の新体制における戦略的共同事業パートナーとして、米国の大手エンジニアリング会社であるThe Shaw Group Inc.(ショー・グループ:以下、Shaw)及び石川島播磨重工業株式会社(以下、IHI)の2社と株主間契約を締結しました。

 ウェスチングハウス社の株式取得に関しては、本年2月6日のBNFLとの合意発表以降、候補企業数社と協議を重ねてまいりました。クロージング時においては、①長期的な視点での事業戦略の整合性、②共通したビジョン、③事業面における補完関係・シナジー効果、の3点から、Shaw、IHIの2社がパートナーとなりますが、今後も、他の候補企業との調整を継続していきます。

 株式取得時点の出資比率は、当社77%、Shaw 20%、IHI 3%となります。この結果、当社の出資額は4,158百万米ドルとなります。

 世界各国において、電力の安定供給と地球温暖化防止の観点から原子力エネルギーへの期待はますます高まっており、当社がBNFLと、ウェスチングハウス社の株式取得に関する契約を締結した本年2月以降も、米国電力各社による相次ぐ新設ライセンス申請計画が発表され、また、英国でのエネルギー政策見直し等に加え、アジア各国でも原子力発電への関心は急速に高まりつつあります。

 こうした市場環境の下、ウェスチングハウス社を当社グループに迎えることを機に、同社の事業活動をより一層加速させ、市場動向に応えていきます。
 共同パートナー間の密接な連携を通じて、製造、販売、技術それぞれの分野で補完関係の構築とシナジー効果の最大化を図り、世界中のお客様に沸騰水型原子炉(BWR)、加圧水型原子炉(PWR)の両方式においてワンストップで包括的に機器、サービス等を提供することができるグローバル原子力グループを目指します。

各国の行政手続きについて 

 本年2月6日、当社はBNFL社と、ウェスチングハウス社を5,400百万米ドルで買収する売買契約を締結し、関係各国の独禁法審査をはじめとする行政認可の取得作業を進めてまいりました。

 米国外国投資委員会(CFIUS)の審査完了、韓国、台湾などの独禁法審査終了、米国原子力規制委員会(NRC)の審査通過、欧州委員会による独禁法審査の終了等を経て、本年9月28日には米国司法省の独禁法審査が予定通り終了し、BNFLと当社の間のウェスチングハウス社株式の取得に関する契約上、必要とされる主要な手続きを完了いたしました。

買収目的会社設立と、Shaw、IHIとの株主間契約について 

 当社はウェスチングハウス社グループの株式取得の実行にあたり、米国及び英国に買収目的会社を設立しました。ShawとIHIはそれぞれ、1,080百万米ドル、162百万米ドルを出資し、買収目的会社の株式の20%、3%を取得します。
Toshiba Nuclear Energy Holdings (US) Inc.
 

Toshiba Nuclear Energy Holdings (UK) Limited

パートナーの概要について 

 Shawは、1987年に設立された、米国を代表する総合エンジニアリング会社です。各種プラント建設から環境関連の事業まで広範囲にわたり事業を展開していますが、原子力発電プラントについても建築設計・施工等を手がけ、特に、配管の設計・製造に関する高い技術を有しています。また、発電所の建設工事を一手に取り仕切る高い能力を合わせて持っており、今後、世界市場で新規建設が増加すると見込まれるなか、建設工事で大きな役割を担います。年間売上高は4,000百万米ドルを超え、従業員数22,000人を抱える世界的な企業です。

 IHIは、創業1853年の日本を代表する総合重機メーカーです。航空エンジン、エネルギープラント、造船事業など多岐にわたる事業分野のうち、特に、原子力事業においては、元来、当社との関係が深く、これまで国内市場でのBWR建設においては、当社が手がけた原子炉系の全てにおいて、原子力圧力容器の製造を担当するなど、当社とは、既に、重要なパートナー関係にあります。今後、世界市場においても、更に強固な関係を構築し、シナジーを追及します。

 


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