高音質を実現したシリコンオーディオプレーヤー用LSIの発売について

2007年3月19日

世界初*1「DCTSC*2-⊿(デルタ)Σ(シグマ)1ビットDAC*3」方式を採用

DCTSC-⊿Σ1ビットDAC

 当社は、高音質を実現する回路設計である「DCTSC-⊿Σ1ビットDAC」方式を世界で初めて採用したシリコンオーディオプレーヤー用LSI「TC94A82XBG」を開発し、今月末から出荷を開始します。

 本製品が採用するDCTSC方式は、現在、シリコンオーディオプレーヤー用LSIとして一般的であるSCF方式*4と比較して、回路内の素子(抵抗やトランジスタ)の数が少ないため、デジタル信号をアナログ信号に変換する際に発生する音声信号の劣化を少なくすることができます。さらに、⊿Σ1ビット方式では、音声信号の処理を1ビット毎に高速に行うため、原音に限りなく近い音楽再生を実現することができます。この両方式を組み合わせることで、ノイズが少なく、低音域から高音域にいたるまで原音に忠実な高音質再生が実現できます。
 また、本製品は、シリコンオーディオプレーヤーに必要なCPU、NAND型フラッシュメモリコントローラのほか、SRAM、DC/DCコンバータ、バッテリーチャージャ等の主要部品を内蔵しており、少ない外付け部品でシステムの構築をすることが可能で、機器の小型化に貢献します。さらに、本製品はDRM(デジタル著作権管理)に対応しており、音楽配信サービスへの対応が可能です。

 また、本製品は3月28日から発売予定の当社製オーディオプレーヤー「gigabeat(R)Uシリーズ」へ搭載されます。
今後、当社では、本製品の発売をきっかけに、需要が急拡大するシリコンオーディオプレーヤー用LSIのラインアップを強化していきます。

*1: シリコンオーディオプレーヤー用LSIのDACとして世界で初めて「DCTSC-⊿∑1ビットDAC方式」を採用
*2:

Direct Charge Transfer Switched Capacitor方式

*3: 人間の可聴周波数帯域から外れた高域のノイズを増やす代わりに、可聴周波数帯域のノイズを減らすノイズシェービング方式を使用した高精度のDAC
*4:

Switched Capacitor Filter方式

新製品の概要

新製品の概要

開発の背景と狙い

 近年、音声圧縮技術の進歩や音楽配信サービスの拡大に加え、NAND型フラッシュメモリの大容量化と低価格化の進展で、オーディオ再生機能への特化が進むシリコンオーディオプレーヤーの市場が急拡大しています。こうした状況下、当社は、需要が急拡大するシリコンオーディオプレーヤー向けに、高音質化や、DRM(著作権保護技術)対応による音楽配信サービスへの対応などの機能を1チップで実現できるLSIを開発することで、最終製品の高機能化に貢献していきます。

新製品の主な特長

1. 世界初「DCTSC-⊿Σ1ビットDAC方式」採用により、回路内のスイッチ数を減らすことができる為、デジタル-アナログ変換時の信号劣化が少なく、かつ、素子(抵抗やトランジスタ等)数も少なく設計することができ、直線性に優れた1ビットDACゆえの、原音に限りなく近い音楽再生を実現できます。
2.

512kBのSRAMを内蔵しており、外付けのワークRAM(SDRAM等)が不要です。

3. FBGA141ピンを採用しており、コンパクトなシリコンオーディオプレーヤーが実現できます。
4. カラーLCD、OLED(65kカラー)に対応しています。
5. SLCおよびMLCのNAND型フラッシュメモリに対応しています。

新製品の主な仕様

新製品の主な仕様

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営業推進第一担当
TEL 03(3457)3423

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