携帯電話用CMOSカメラモジュール内製化による
CMOSイメージセンサ事業の強化について


2007年10月01日

TCV*1技術を適用した超小型カメラモジュール「CSCM*2」を
世界で初めて*3製品化、一貫生産開始

「Dynastron(TM)」搭載 超小型カメラモジュール「CSCM」

 当社は、これまで、外部メーカーに委託していたCMOSカメラモジュール製造について、岩手東芝エレクトロニクス株式会社(以下、岩手東芝エレクトロニクス)にて内製化を開始します。これは、大分工場でのチップ製造から岩手東芝エレクトロニクスでのカメラモジュール製造までを当社グループ内で一貫生産するもので、CMOSイメージセンサ事業強化の一環と位置付けています。内製化する新製品は、TCV*1技術を適用したCMOSイメージセンサ「DynastronTM*4」搭載の超小型カメラモジュール「CSCM*2」で、当社が世界で初めて製品化するものであり、2008年1月より順次量産します。

 近年、カメラ付携帯電話などモバイル機器は小型化、薄型化が進んでおり、これらに搭載されるCMOSカメラモジュールも、さらなる小型化、高品質化、低価格化が求められています。
 このようななか、当社は、TCV*1技術を適用して「CSCM」を実現するとともに大分工場での「DynastronTM*4」製造から、岩手東芝エレクトロニクスでのカメラモジュール製造までを当社グループ内で一貫して行い、内製化比率を順次拡大していくことによって、コスト競争力の強化を図ります。また、生産の一元管理により、最適なサプライチェーン管理が可能になります。あわせて、「DynastronTM*4」の生産能力を拡大し、需要に対応します。

 今回、内製化する新製品は、TCV*1技術を新たに適用することで、ウェハを貫通電極付のチップ構造とし、ウェハ状態でのカメラモジュール部品の実装・組み立てが可能となります。また、裏面に半田ボールを形成することで、従来使用していた基板とワイヤボンディングスペースを削減します。この「CSCM*2」は同一VGAチップを使った場合の従来型モジュールとの大きさ比較で体積比約64%(当社比)の小型化*5を実現します。

 さらに、耐熱レンズの採用や裏面の半田ボール形成により、モバイル機器メーカーにおけるカメラモジュール実装工程の短縮を実現する「半田リフロー実装*6」を可能とし、面実装基板製造工程の合理化にも貢献します。

 なお、新製品は10月2日から幕張メッセで開催する「CEATEC JAPAN 2007」の東芝ブースにて展示する予定です。

*1 TCVは、Through Chip Viaの略称で、ウェハに穴を開けて貫通電極を形成する技術です。
*2 CSCMは、Chip Scale Camera Moduleの略称でウェハレベルでカメラモジュール部品の実装・組み立てが可能な 小型カメラモジュールです。
*3 2007年10月1日現在。東芝調べ。
*4 「DynastronTM」は、株式会社東芝の登録商標です。
*5 同一チップを使って従来型モジュールを製造した場合を想定したCSCMとの体積比です。
*6 半田リフロー実装とは、表面実装部品を基板に実装してから高温炉に入れる実装方法のことです。

新製品のおもな概要

新製品のおもな概要

従来型モジュールと「CSCM」との構造比較(イメージ図)

従来型モジュールと「CSCM」との構造比較(イメージ図)

新製品のおもな仕様

新製品のおもな仕様(TCM9200MD)

新製品のおもな仕様(TCM9100MD)

新製品のおもな仕様(TCM9000MD)

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