携帯電話向けRF-MEMS可変容量の開発について 2008年2月7日 当社は、マルチバンド化、マルチシステム化などの高機能化が進む携帯電話の無線システムのスリム化を可能にするRF-MEMS*1について、静電力で駆動する「静電型」アクチュエータにおける信頼性上の課題を解決する回路技術を開発しました。本成果は2月3日から米サンフランシスコで開催中の半導体国際学会ISSCC(国際固体素子回路学会)において、本日(現地時間)講演を行いました。 新技術では、絶縁膜内に注入された電荷量のモニタリングを回路内で行い、その電荷量に応じて電界の向きを変えることで注入電荷量を制御する「インテリジェント・バイポーラ駆動(以下、IBA)」を採用しました。これにより、「静電型」アクチュエータで課題とされる絶縁膜内に電荷が過剰に蓄積する現象(チャージング現象)を抑制することが可能になります。 今回、このIBAアルゴリズムを実装したMEMS可変容量およびドライバICチップを試作し、85℃のチャージング加速条件でも1億回を超えるスイッチングが可能であることを確認しています。製造プロセスを複雑化させることなく、回路技術でチャージングを回避することで、低消費電力かつ低コストでのRF-MEMSの実現が可能となります。 なお、当社ではこれまで、「圧電型」についても開発を進めており、昨年12月の国際学会 IEDM(International Electron Devices Meeting)でその成果を発表しています。
|
プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。 |