業界初のソフトウエア制御を用いたアナログ回路内蔵のマイコンの製品化について

2008年4月23日

-センサ搭載機器の開発効率を向上-

開発したソフトウェア制御機能搭載マイコン

 当社は、携帯電話や家電製品などのセンサ類を搭載した機器に用いるマイコンについて、内蔵するセンサ処理用アナログ回路をソフトウエアで制御することで、センサから受信した情報を調整する新しいコンセプトの製品を開発しました。今後、加速度センサや圧力センサなどからの入力を想定したマイコンの開発を進め、2008年末よりサンプル出荷を行う予定です。

 今回開発したマイコンは、加速度や温度などセンサから取り込んだ情報を処理するアナログ回路と、これをソフトウェアで制御する機能を1チップ化したものです。これにより、各機器にセンサ類を搭載する際、これまでお客様の負担となっていたセンサ素子やアプリケーションのモデルごとに行われる基板作製で、部品点数を20%から50%削減するとともに、調整などの開発効率も20%から50%向上させることが可能になります。また、ソフトウェアで素子から出力される信号の補正やタイミング等の調整を行うことができるため、出荷後の機能変更などへの対応が容易になります。

開発の背景と狙い

 家電製品などに使われるセンサ類は、使用目的や場所によって加速度センサや温度センサなど様々な素子が用いられています。従来、素子が出力するアナログ情報を機器で使用できる情報にするためには、素子の種類やモデルごとに基板の設計や調整が必要とされ、基板の部品点数増加によるコスト増大や部品間の特性検討などにおける開発効率が課題となっていました。

 民生機器向のセンサ市場は、今後、携帯電話やPCなどへの搭載を中心に拡大が期待され、2011年には加速度センサをはじめとするMEMS慣性センサで600億円に達するとも言われています。また、それに伴うセンサ向けマイコンについても2011年で200億円規模の需要が見込まれます。このような背景のなか、当社は、システムLSI事業において、お客様の負担を軽減するとともに、デジタルカメラや携帯電話をはじめ、ゲームコントローラや家電製品など、センサ類を搭載する機器に幅広く応用が可能な高性能マイコンを製品化することで、シェア拡大を目指します。

主な特長

(1) ブリッジ抵抗タイプのセンサからの検知信号を直接取り込めます。
(2) ソフトウエアにより、オフセット補正、平均化処理など、検知信号の調整や補正を行うことが出来ます。
(3) ソフトウエアにより、検知信号の値による動作制御、検知タイミングの設定、出力形式の設定など、アプリケーションに応じた動作を実現します。
(4) ソフトウエアを書き換えることにより、実装後の機能変更などにも容易に対応できます。
(5) サンプルソフトを準備します。 

主な仕様

電源電圧 2.2V-3.6V
最大動作周波数 4~5MHZ,400kHz(高周波、低周波ともに内蔵)
消費電流(typ.) IDD-Standby= 7uA
IDD-operation=550uA@Sampling=100Hz
内蔵 ROM/RAM FLASH:16KB,RAM:256B
周辺機能 オンチップデバッガ,パワーオンリセット,シリアル通信(I2C他),16bitタイマ
アナログ 10bitA/D、OP-AMP、offset制御回路、3chシーケンシャル制御回路
パッケージ VQON44(5.3mm×5.3mm、0.65mm厚),
WLCSP(3.5mm×3.5mm、0.9mm厚)


製品についての
お問い合わせ先
セミコンダクター社
システムLSI営業推進第二部 
マイクロコントローラ営業推進担当
TEL 03(3457)3404

ニュースリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。