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改良型のDSB基板を用いた高性能LSIの開発について

2008年6月20日

−シリコン基板と比較して30%高速のリングオシレーター*1を実現−

 当社は、高性能システムLSIの開発で最重要課題の一つとされる、高駆動力を持つCMOSFETをIBMコーポレーションと共同で開発しました。本技術は、(100)面と(110)面と呼ばれる結晶方位の異なる2つのシリコン層を接合した基板(以下、DSB基板)を改良し、(110)面のシリコン層を薄膜化するもので、本技術を適用することで、従来のDSB基板を用いた場合と比較して10%、シリコン基板を用いた場合と比較して30%高速のリングオシレーターを実現しました。本成果は、6月17日からホノルルで開催中の半導体国際学会「VLSIシンポジウム」で19日(現地時間)に発表しました。

 今回開発した改良型DSB基板は、(100)面のシリコン層を45度回転させて接合したもので、漏れ電流に影響を与えるとされるNMOSFETとPMOSFETの境界で発生するDSB基板特有の結晶欠陥のサイズを低減しました。さらに、改良型DSB基板でのPMOSFETのホール移動度は(110)面シリコン膜厚に依存することから、膜厚の異なる3種類の改良型DSB基板の電気特性を比較し、(110)面のシリコン層を薄膜化した基板がより高い駆動電流を示すとともに、接合容量も低減されることを確認しました。

 従来のDSB基板は、(100)面と(110)面のシリコン層を接合したもので、ホール移動度の向上によりPMOSFETの駆動力が改善する一方、NMOSFETでは電子移動度が低下し、駆動力が劣化してしまうという問題がありました。今回DSB基板の改良により、NMOSFETの駆動力を低下させることなく、高い駆動力をもつPMOSFETを作製できたことで、高駆動力を持つCMOSFETを実現しました。

 現在、システムLSIは高性能化に向け微細化を中心とした研究開発が進められていますが、その物理的限界が近づいていると言われています。このような背景のもと、当社は、今後も高性能LSIの実現に向けた様々な研究開発を進めていきます。

*1

リングオシレーター
インバータ回路を奇数個直列に環状に接続した回路。周期的なクロックを得ることが可能で、この時間をインバータの個数で割ったものが、CMOS回路のスピードを表す指標となる。


添付資料

別紙:改良型のDSB基板を用いた高性能LSIの開発について [PDF:523KB]
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