ニュースリリース
シリアルATAインターフェースを採用した車載用2.5型HDDの商品化について
当社は、当社として初めてシリアルATAインターフェースを採用した80GBの車載用2.5型HDD(ハードディスク装置)「MK8057GSC」を商品化し、12月から量産を開始します。
新商品「MK8057GSC」には、パラレルATAインターフェースと比べ、より高速なデータ転送(1.5Gbps)が可能なシリアルATAインターフェースを、当社の車載用HDDとして初めて採用しました。これにより、既に商品化しているパラレルATAインターフェースと今回商品化したシリアル ATAインターフェースにそれぞれ対応した車載用HDDを、顧客ニーズに合わせて提供することができます。
また、本商品は2006年7月施行のEU(欧州連合)RoHS指令*1に適合しており、さらに製品ライフサイクルにおけるCO2を削減*2するなど、人と環境に配慮した商品となっています。
当社は2001年に世界で初めて車載用HDDを商品化して以来、車載用HDDに求められる耐振動性をはじめとした厳しい動作環境仕様を満たす商品を提供することで、車載用HDDでは約84%*3の高い世界市場シェアを維持しています。また、2008年7月には累計で出荷台数900万台を達成しました。当社は今後も車載用、PC用などそれぞれの用途でのニーズに応え、商品化を進めていきます。
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RoHS:Restriction of the use of certain Hazardous Substances
EU(欧州連合)では、コンピュータや通信機器・家電などで特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニール)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル))の使用禁止を定めた指令。2006年7月から施行。 - *2
- 2000年度モデル「MK6015MAP」との比較。製品寿命5年、一日8時間、年間240日使用した場合。当社のLCA(ライフサイクルアセスメント)評価法によります。
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- 2007年一年間で。(TSRデータ2008年2月)
新商品の概要
型名 | 記憶容量 | 外形寸法 | 質量 | 特長 |
MK8057GSC | 80GB | 69.85×100.0×9.5mm | 98g | シリアルATA |
商品化の背景と狙い
近年、カーナビ等の車載機器では、さまざまな情報を迅速に処理することが求められ、車載機器のデータ転送処理機能も高速化されていきます。データ記憶装置であるHDDとしても高速化への対応を行うため、シリアルATAインターフェースを採用した機種をあらたに商品化しました。これにより既に商品化しているパラレルATAインターフェースと今回商品化したシリアルATAインターフェースにそれぞれ対応した車載用HDDを、顧客ニーズに合わせて提供することができます。
新商品の主な特長
1.車載用2.5型HDDとして、当社初のシリアルATAインターフェースを採用
新商品「MK8057GSC」には、パラレルATAインターフェースと比べ、より高速なデータ転送(1.5Gbps)を可能にするシリアルATAインターフェースを採用しております。
2.環境温度への対応
車載用HDDには、PCなどに搭載されるHDDに比べ、厳しい環境温度への対応が要求されます。当社は、磁気記録技術、部品信頼性技術により、動作時-30℃ ~ +85℃、非動作時-40℃ ~ +95℃を実現しております。
3.高い耐振動性
車載用HDDには、PCなどに搭載されるHDDに比べ、2~3倍の高い耐振動性が要求されます。当社は、可動部品の軽量化や筐体の高剛性化を図り基本的な耐振動性を向上させるとともに、加速度センサーによってHDDに加わる振動の影響を予測し、ヘッド位置を的確に補正する制御技術を採用しています。これらの技術により、29.4m/s2(5~50Hz)という耐振動性を実現し、安定したデータアクセスを可能にしました。
4.高地でも動作可能
HDDの磁気ヘッドは、空気の力を利用して、超高速回転しているディスク表面から約10万分の1mmのところを浮上しているため、気圧変化によりその間隔にも変化が生じ、動作が不安定になります。当社は空気力学を用いた東芝独自の設計技術を適用することで、空気の薄い高地でも安定したデータの読み書きができ、5,500mの高度での使用を可能にしております。
5.環境への配慮
(1)ライフサイクルによるCO2排出量削減効果
本商品は、装置の消費電力を低く抑えることや、原材料製造時の環境負荷を減らすことなどにより、製品ライフサイクルにおけるCO2の排出量を抑えています。「MK8057GSC」では、削減効果として年間68gのCO2を削減しています。
(2)RoHS指令に適合
2006年7月施行のEU(欧州連合)RoHS指令に適合しています。
(3)東芝グループ「製品別環境自主基準(ECP基準)」に適合
製品ごとに業界トップレベルを目指した東芝グループ「製品別環境自主基準(ECP基準)」に適合しています。基準の詳細については、以下を参照ください。
http://www3.toshiba.co.jp/storage/ecology/ecp_j.htm
当社グループは「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度を基準として2050年度までに10倍(ファクター10)に高めることを目指します。効率の良いエネルギー供給機器の開発や、環境に配慮したオフィス・家電製品の製造、販売を通じて、2025年度に1億1,770万トンのCO2削減の寄与などの地球温暖化防止をはじめとした、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
新商品の主な仕様
MK8057GSC | |||
記憶容量 | 80GB | ||
ディスク枚数 | 1 | ||
ヘッド数 | 2 | ||
平均シーク時間 | 16msec | ||
回転数 | 4,200rpm | ||
インターフェース | Serial ATA | ||
インターフェース速度 | 1.5Gbps | ||
外形寸法 | (W)69.85mm×(D)100.0mm×(H)9.5mm | ||
質量 | 98g(max.) | ||
エネルギー消費効率 | 0.01W/GB | ||
温度特性 | (動作時) | -30℃ ~ +85℃ | |
(非動作時) | -40℃ ~ +95℃ | ||
高度特性 | (動作時) | -300 ~ +5,500m | |
(非動作時) | -300 ~ +12,000m | ||
耐振動性 | (動作時) | 29.4m/s2 , 3G(5~50Hz) 19.6m/s2 , 2G(50~500Hz) |
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(非動作時) | 49m/s2 , 5G(10~500Hz) |
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- 1メガバイト(MB)は1,000,000バイト、1ギガバイト(GB)は1,000,000,000バイトで計算しています。
お客様からの商品に関するお問い合わせ先:
- ストレージデバイス事業部
- TEL : 03(3457)2445