ニュースリリース

当社の日本語ワードプロセッサが「IEEEマイルストーン」に認定

2008年11月04日
「JW-10」の初代機(1979年発売)
「IEEEマイルストーン」の銘板

当社が開発した日本語ワードプロセッサが、世界最大の電気・電子関係の技術者組織であるIEEE注1より「IEEEマイルストーン」注2に認定されました。これは、当社の日本語ワードプロセッサが、日本の情報化社会の進展において主要な役割を果たすとともに、パーソナルコンピュータにおける日本語ワードプロセッシングの基礎となった点が認められたものです。

「IEEE マイルストーン」は、電気・電子技術およびその関連分野において、社会に大きく貢献したと認定される歴史的な業績を表彰するもので、1983年に制定されて以来、全世界で80件以上のマイルストーンが認定されています。日本での認定は今回の日本語ワードプロセッサが8件目です。

なお、今回IEEEより贈呈される「IEEEマイルストーン」記念の銘板は、当社の青梅工場と研究開発センターに常設展示します。

当社における日本語ワードプロセッサの開発は1971年に開始され、初代機「JW-10」が1978年10月のデータショウ(現在のCEATEC JAPAN)において展示、1979年2月から工場出荷が開始されました。それまでは、日本語文書を作成するために多大な手間を要していましたが、当社の日本語ワードプロセッサによる実用的なかな漢字変換処理の実現、また新規開発による漢字ディスプレイや漢字プリンタによって、漢字かな混じりの日本語文書を誰もが簡単に作成できるようになりました。

「JW-10」発売以降、日本語ワードプロセッサが各社で開発、発売されるとともに、小型化が進められ、普及が一気に加速しました。さらに、現在、日本語ワードプロセッサソフトは、日本のあらゆるパーソナルコンピュータ、携帯電話を初めとした情報機器に引き継がれ発展し、それらの日本語作成機能として広く利用されています。日本語ワードプロセッサの出現は、「日本語文書を自由に作成する」という日本人の長年の夢を実現しただけにとどまらず、「漢字かな混じり文」という日本古来の文化と情報処理技術とを融合し、情報社会への進展に大きく貢献しました。

 

注1)
IEEE(正式名称:The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)
米国に本部を置く世界最大の電気・電子技術者の学会組織です。「アイ・トリプル・イー」と呼称され、世界160カ国以上に375,000人以上の会員を擁する非営利団体です。IEEEは、コンピュータ、バイオ、通信、電力、航空、電子等の技術分野で指導的な役割を担っています。38の専門部会(Society)と7つのTechnical Council(関連Societyの連合:略称TC)があり、国際会議の開催、論文誌の発行、標準化などの活動を行っています。日本には現在、東京支部、関西支部など9つの支部があります。
注2)
IEEE マイルストーン
IEEEの広範な活動分野である電気・電子・情報・通信の分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたと認定される歴史的な業績を表彰する制度です。1983年にElectrical Engneering Milestonesとして創設され、2000年にIEEE Milestones in Electrical Engineering and Computingと改称され現在に至っています。これまで、ボルタ電池やフレミングの二極管など全世界で80件以上のマイルストーンが認定されています。日本では、八木・宇田アンテナ(1995年)、富士山頂レーダー(2000年)、東海道新幹線(2000年)、服部セイコーの電子式水晶腕時計(2004年)、シャープの電卓(2005年)、日本ビクターの家庭用ビデオVHS(2006年)、阪大等4者による鉄道用自動改札システム(2007 年)の7件が認定されています。当社の認定は8件目になります。