ニュースリリース

ベトナムにおけるCDMプロジェクトの推進強化について

-現地企業との合弁会社で事業を開始-
2009年04月01日

 当社は、ベトナムでのCDM(クリーン開発メカニズム)プロジェクトを推進するため、現地のグエン・ヴー社(以下、NV社)と共同で、CDM事業とバイオガス供給を一括して行う事業会社である「東芝クリーン開発サービス・ベトナム社」をベトナム・タイニン省に設立しました。このほど、当局よりCDM事業のライセンスを取得し事業を開始します。

 新会社は、当社の高濃度有機廃水処理技術を用いて、ベトナムの澱粉工場などの廃水処理池から生じるバイオガス注1を回収し、温室効果ガスを削減するCDM事業を行います。また、回収したバイオガスの供給事業も手がけ、工場における燃料コストの削減に寄与します。本プロジェクトの実施により、周辺環境の改善にも貢献できます。

 今後、2009年度中にタイニン省の複数の澱粉工場のプロジェクトにおいて、CO換算で年間約7万トンの温室効果ガスを回収するプラントを建設し、2010年1月から操業を開始する予定です。さらに将来的には、アルコール、食品加工など他の高濃度有機廃水に対象を広げてプロジェクトの開発を行い、ベトナムにおいてCO換算で年間50万トンの温室効果ガスを削減していく計画です。

 当社は今回、社会インフラ分野におけるCDMプロジェクトを積極的に進めることで、排出権取引ビジネスも視野に入れた環境システム事業の強化を図ります。

注1:メタン発酵処理により有機性廃水から回収されるメタンガス(二酸化炭素の21倍の温室効果を有する)を主成分とする可燃性ガスを指す。

新会社の概要

1.会社名:東芝クリーン開発サービス・ベトナム社
  (英文名称:Toshiba Clean Development Service (Vietnam) Co., Ltd)

2.代表者:神 啓輔  (現 東芝アジア・パシフィック社 シニアマネージャー)

3.設立 :2009年1月21日

4.資本金:3,000,000USD

5.出資比率 :東芝51%,NV社49%

6.所在地:ベトナム・タイニン省タイニン市

7.従業員数 :8名(設立時)

8.事業内容 :CER(Certified Emission Reduction:認証排出削減量)の取得・販売,バイオガスの供給事業

 

 当社グループは「地球内企業」として、より良い地球環境の実現のため「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度を基準として2050年度までに10倍(ファクター10)に高めることを目指します。効率の良いエネルギー供給機器の開発や、環境に配慮したオフィス・家電製品の製造、販売を通じて、2025年度に1億1,770万トンのCO削減を目指し、地球温暖化防止、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。