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プレスリリース

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次世代EUV露光装置向け低分子フォトレジストの開発について

世界初、20nm世代で実用性能
2009年11月17日

  当社は、EUV(極端紫外線)露光装置による高解像露光に必須とされる低分子材料を用いたフォトレジストを開発し、世界で初めて20nm世代の回路パターンで実用性能を達成しました。

  従来、高い解像度を得るには、分子が大きく低感度な高分子レジストが用いられ、20nm世代では処理時間の増大が顕著な問題となります。そのため、元来高解像度の低分子材料によるレジストが求められていました。
  当社は、分子構造が小さく頑丈なトルクセンを材料として、低分子の弱点とされる耐久性などの課題を克服したEUV世代対応のポジ型レジストを開発済みですが、今回、より高解像度に向くネガ型を開発し、20nm世代のパターンで実用的な高感度と耐久性を達成したものです。

  今後当社は、今回の低分子レジストの特性向上をさらに進め、ITRS(半導体技術ロードマップ)で2013年頃の実用化が予想される20nm世代のLSI向けに早期実用化を目指します。なお、本成果については、11月17日から開催されるナノテク関連の国際会議MNC2009において、11月19日に発表を行います。

開発の背景 

半導体露光装置では、回路パターンが20nm世代まで微細化すると、感光剤のフォトレジストがパターンどおりに解像しなくなり、パターンの側壁に発生するラフネス(寸法の乱れ)が顕著となります。この主な原因は、フォトレジスト材料の高分子化合物にあると考えられます。高分子化合物は、塗布しやすい反面、分子サイズが大きく、分子鎖が絡まって大きな塊になりやすい性質があり、解像度を制約します。そこで、当社は、高分子化合物に代わり、分子サイズが小さく、分子鎖の絡まり合いも弱い低分子化合物を用いたレジストを開発しました。

開発の概要

1.低分子材料トルクセン誘導体の採用

分子サイズが小さく、原子が星型に固く結び付いた剛直な構造のトルクセンを採用しました。当社では、既にトルクセンをレジスト材料とするための基本的な分子設計を確立しており、ポジ型レジストによるEUV世代に対応した実用性能を実証しています。今回、このトルクセン誘導体(トルクセン分子を基に設計された構造体)を用いて、20nm世代に適用できるよう、より高解像度に向くネガ型レジストの開発を行いました。レジストはポジ型とネガ型の使い分けが必要で、今回当社は両方式で基本技術を確立しました。

 トルクセン誘導体の分子構造図

2.ネガ型レジスト材料の最適組成

ネガ型のレジストで最良の特性を引き出すため、トルクセン誘導体と架橋剤の比率を変えながら性能検証を行いました。架橋剤は分子の結合に必要な物質で、光を受けてレジストの反応を促進する光酸発生剤を含み、光の透過性や反応速度の観点で最適に導入する必要があります。検証の結果、トルクセン誘導体と架橋剤を3:1で組成した時に最適な性能となることを解明しました。この最適条件により、主要な性能指標であるラフネス(ラインの乱れ)エッチング耐性(削れにくさ)について、従来の高分子レジスト以上の特性を達成しました。

20nm級パターンのラインラフネスとエッチング耐性を示す図

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