ニュースリリース

HD300形式ハイブリッド機関車の製作について

JR貨物がプロトタイプ車両を公開
2010年03月25日

 

ハイブリッド機関車プロトタイプ車両の写真


 

 当社は、日本貨物鉄道株式会社(以下、JR貨物)の委託を受け、同社が入換機関車として開発中のHD300形式ハイブリッド機関車を製作しました。本日、JR貨物は、同機関車のプロトタイプ車両「HD300-901」を公開しました。

 「HD300-901」は、「環境にやさしいクリーンな機関車」を開発コンセプトとし、2008年から当社とJR貨物が共同開発を行ってきたものです。同機関車は、ディーゼルエンジン発電機と蓄電池を動力源とする動力協調システムを用いたシリーズ式のハイブリッド機関車で、従来のディーゼルエンジンを搭載した機関車と比べ、排出ガスは30~40%以上、騒音レベルは10デシベル以上の低減を目標としています。また、CO排出量もエンジンの効率的運転と回生ブレーキの活用により大幅な低減が期待できます。なお、本開発にあたっては国土交通省の鉄道技術開発費の補助を受けています。

 当社は、1899年以来、鉄道車両用のモータやインバータ、電源や空調設備といった車両用電気品、車両システム、電気機関車等を国内外の鉄道事業者に納入してきました。電気機関車用電気品事業では、これまでに国内のJR貨物のほか、中国、南アフリカ等において1200両分の受注実績があり、グローバルに提案活動を展開しています。

 世界規模での環境重視による鉄道モーダルシフト、鉄道の持つ安全快適性への評価により、鉄道市場はグローバルに拡大していく見込みであり、2016年には、現在の1.3倍の20兆円の市場規模が見込まれます注1。当社は、大容量永久磁石同期モータ駆動システム、二次電池SCiBを適用したハイブリッドシステムの開発を推進しており、今後も、さらなる省エネルギーを実現する環境調和型ハイブリッド機関車の市場投入を積極的に展開していきます。

注1:欧州鉄道産業連盟(Unife)予測